法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ドラえもん』手にとり望遠鏡/森は生きている

「手にとり望遠鏡」は、のび太がヨーヨーをジャイアンからとりかえそうと、秘密道具を出してもらう。それで遠くに手をのばすが、うまく目標をつかめない……
2005年以降で初アニメ化。脚本として『さらざんまい』の内海照子が初参加。特にラパントラック*1が下請けとして関係が深い印象もないし*2、スタッフの縁も見当たらない。
望遠鏡型の秘密道具をのぞきこみ、その視界にあるものへ手をのばすわけだが、下手に望遠鏡の視界に手を入れたりせず、うまくフレームアウトとカット割りのマジックで表現していた*3。原作では「犬のさんぽ」くらいなジャイアンのヨーヨー技もテクニカルで、いい意味で小学館らしさを感じた。
物語は前半までは原作に忠実で、ジャイアンスネ夫への反撃を増やしたくらい。後半からはアニメオリジナルで泥棒をつかまえようとする。この街の治安の悪さを感じるのもひさしぶりだ。間違って警官をつかまえてしまったり逆に送りこんだり、ビルの屋上に移動したりヨーヨーで攻撃したり、秘密道具の機能の範囲でできるだけ多くの展開を見せようとしたことは良かった。
そしてオチで原作にもどり、星をとろうとして宇宙の岩石を部屋にもちこんでしまう。ただ、そのまま室内に岩石をコラージュしたような淡々とした原作と違って、のび太ドラえもんが岩石と壁にはさまれる描写にアレンジしていた。


「森は生きている」は2017年版の再放送。森の心を演じるのは皆口裕子
hokke-ookami.hatenablog.com

*1:内海照子が共同代表で、制作作品の脚本や制作進行をつとめている。

*2:検索して映画『のび太の新日本誕生』の多数の下請けのひとつに名前があるのを見つけた。

*3:はっきり瞬間移動しているような描写は、郵便局前におくられた老人くらい。コンテは鳥羽明子。