真田十勇士に題をとったと思しき和風ファンタジー作品のアニメ化。佐山聖子監督。
青二エンターテインメントが製作に並び、メインキャストに人気男性声優が集まっており、いわゆる女性向け作品として作られたのだろう。しかしファンタジーアニメとして細部が意外としっかりしており、アクションの量が多くて質も悪くなく、意外と楽しく見ることができた。戦いの地形から光景まで変化させたり、前半と後半で同じ雑魚敵でも強さを増したり、物語の要請に応じて変化をつけているところが誠実。
キャラクターの姿が美麗なだけでなく、それぞれの個性が物語から自然と立ち上がっているのも好感を持てた。メインヒロインにとって都合良く美青年が集まってくる展開でいて、最も主要な仲間になると思われる霧隠才蔵が悪ぶったキャラクターで、ちゃんと内面も描けているので男性視聴者としても共感しやすい。
とはいえ、ヒロインのいわゆるイヤボーンが物語の鍵となっているらしく、あくまでライトファンタジー。万難を排して視聴したいとまで感じる作品ではないかな。誠実に作っているので、そこそこの期待なら裏切られまいと感じるけどね。
