法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ドラえもん』スーパー移動風呂1010/のび太社長になる

たぶん前後半ともにアニメオリジナル。動画工房制作協力回で、なかなか作画が良かった。ただし作画の面子はいつもと少し違う。来年の映画にかかりきりなのだろうか。


Aパートは風呂ごと移動して世界中の絶景を楽しめる秘密道具が登場。景色が楽しみたいだけなら立体ホリゾントでええやんと思ったりもするが、まあ地域ごとの臭いや風を感じたいのだろうと思うことにする。
しかしまあ、時間いっぱい全裸のしずちゃんと、めまぐるしく移り変わる景色だけで押し切った、何というか力技としかいいようがない回だった。


Bパートは秘密道具「会社ごっこセット」を使って社長になろうとする主人公の悲喜劇が描かれる。
小さなロボット社員は無力で、のび太の願望を直接かなえることはできない。そこで出木杉の宿題を盗撮して宿題代行会社を立ち上げ、他にも様々に手を広げていった。しかし手を広げすぎて社員の能力を超えてしまった上に、出木杉が病気で倒れて全てが瓦解していく……
のび太ドラえもんが来なければ実際に会社を立ち上げていたような人物で、過去にも様々なアイデアで秘密道具を使った面白い商売をしていたのだが、今回の味わいはかなり違う。どちらかといえば「ポータブル国会」や「のび太の地底国」のように、勝手気ままは許されない社会のありようを見せる、社会派な寓話。
社員に反乱されて社長を退陣させられる結末ののび太は、自業自得としかいいようがない。しかし現実では必ずしも同様の結果になるわけではない。今回の話は、ニュースに興味を持つような子供の目にはどう映っただろうか。


あと、トヨタのCMで30歳の実写のび太が独身という描写は何なのか。その年齢ならすでに結婚しているはず。未来予想するアニメキャラクターでCMを導入したので、てっきり夢オチになるとばかり思っていたが。それとも、後味悪い結末から見て、連作CMシリーズとして続くのだろうか。