アニメオリジナルの前半と、原作通りの後半と。
Aパートは秘密道具によって過剰につくしてもらうのび太の悲喜劇が描かれる。つくしは季節ネタだが、つくすことを強要したり、レトリックを文字通りにとらえられてしずちゃんが出木杉へクッキーを持っていったり、原作らしくまとまっていて悪くはない。秘密道具による効果だけで話をつむぎ、シチュエーションコントとして無駄がなかったところも好感。
Bパートはスネ夫の一部と、結末を除いて原作を完全に再現。
むしろ、皆が喜んで終わった原作より、結末で深夜に歌声が響き渡った場面を入れたアニメ版の方が、ちゃんと秘密道具の効果を活かしきっていると思う。良いアレンジ。
声が遅れて聞こえる秘密道具を使って、のび太とドラえもんが無音でしゃべる場面は、原作通り。しかし放送事故に思われかねないヤバさがあり、これもTVアニメならではの面白さだった。
