法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『輪るピングドラム』11th station ようやく君は気がついたのさ

これまでは物語の流れを断ち切ってきた「生存戦略」宣言が、今回は過去を暴き物語を深く沈ませる方向へ作用しているところが興味深い。
変身バンクの大幅な短縮も、映像から開放感を無くすためか。無機質だった列車内が異世界のように化す演出とあいまって、物語の鬱屈を増していた。


それにしても、以前から現実の事象との関連可能性がインターネット上で指摘されていなければ、よりサブタイトルが衝撃的に受け止められたことだろう。
その衝撃を意図していたのならば、具体的な日時のような、インターネット検索で特定の出来事と結びつけやすい数字を伏線として示すことは避けるべきだった。特に、この作品は展開予想や隠喩の解釈が広範に行われるような作りだから。
逆に、ここまで前振りをしていなければ、現実の事象をアニメ作品にとりこめない、とりこんだとしても拒絶が大きくなる、という制作者の判断かもしれないが。