法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

あまりに育鵬社を推す論理がひどすぎる

公民教科書で育鵬社が選ばれた経緯の不透明さを報じる記事に、気になる記述があった。歴史教科書の選考についての記述だ。あまりのひどさに、続報が出るまで留保したいと思うほどだ。
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-180843-storytopic-238.html

摩文仁の丘では自分で飛び降りた人もいるのに、なぜ『集団自決』の軍命にこだわるのか」と崎原用能与那国町教育長はまくしたてた。それに対し竹富町の大田綾子教育委員らは「歴史の事実をしっかり教えないで子供が正しい歴史認識を持てるのか」などと反論。議論が深まる中、採決が始まり「帝国書院4票、育鵬社3票、東京書籍1票」と結果が出た。

この簡単な記述を見る限りでは、議論は深まってない。投票結果からわかるように、さすがに歴史教科書では育鵬社は落選したものの、わずか一票差という危ない状況だった。
自分で飛び降りた人がいたら何だというのだろうか。ユダヤ人に協力者がいたからナチスは強制収用したわけではないとでもいいたいのだろうか。
仮に、明確な命令がなくても飛び降りへいたらせた責任が軍にあるという論理ならば一理あるが、その場合でも軍命の位置づけは重要であることに変わりないだろう。


ちなみに、育鵬社の教科書を推していた崎原氏と玉津氏については、下記のような報道を見つけた。
総会に遡及して承認 教科書採択協議会 | 八重山毎日新聞社

 教科用図書八重山採択地区協議会(委員8人)の玉津博克会長(石垣市教育長)、慶田盛安三副会長(竹富町教育長)、崎原用能副会長(与那国町教育長)は26日夕、市教育委員会で役員会を開き、終了後に記者会見した。規約に定めた手続きを取らずに自ら役員会の会長として役員会での選任を経ずに調査員を委嘱、任命した件について玉津会長は「6月27日の総会に遡及(そきゅう)して認められた」と発表した。今回の手続きに不満を示していた慶田盛副会長は会見後、「理解はしたが、納得はしていない」と述べ、事実上後戻りできないという事後承諾だったことを明らかにした。一方、崎原用能副会長は「調査員の名簿を受けた段階で役員会で承認したと思っていた」と述べ、玉津会長同様の認識を示した。

 事務局の市教委によると、協議会は8月4日、各教科の教科書を採択する予定。教科ごとに調査員の出席を求めて説明を受けるという規約上の手続きをとらず報告書を提出させ、選定資料シートを使用して無記名投票とすることを確認した上で採択の手続きに入る方針。

有力者の場合は、規約を遵守しようとしなくても止めようがないらしい。法というものは、基本的に強者をしばるものであるべきだと思うのだが。