法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

日本の神社は凄い

少し前、東に本題震災への支援米を、神社本庁の職員が無料で食べていたという報道があった。
消えた被災者支援用の“神のコメ”行方は神社本庁職員の胃袋へ | 週刊ダイヤモンドSCOOP | ダイヤモンド・オンライン
混乱によって送れなかったところまでは留意してもいいだろうが、他の選択肢はないのかと思ったものだ。


そんな報道とは関係なく、「神社と神道」というサイトについて紹介したい。
http://jinja.jp/
サイトの紹介によると「神社オンラインネットワーク連盟」という非営利団体が作っているサイトという。
http://jinja.jp/modules/aboutus/index.php?content_id=1

神社オンラインネットワーク連盟は、「インターネットを通じて日本の伝統と神社神道の正しい知識を広めること」を主な目的とする任意の非営利団体です。 主に神社本庁に属する神社に奉職している神職有志により平成9年から運営いたしております。 ※神社本庁と直接の関係はありません。

次に、時事問題に興味がある人は「時局問題」というカテゴリへ注目してほしい。
http://jinja.jp/modules/jikyoku/
靖国神社」についてのページはまだいい。神社関係者という立場から考えればしかたない。愛媛玉串料訴訟最高裁判決へ異論をのべるページを見ると、勝手に「国民意識」を決定されて困惑されるものの、主張の党派性に自覚的な部分も感じられる。
http://jinja.jp/modules/jikyoku/index.php?content_id=21

 この判決は、「司法判断」のあり方と国民意識との距離がいかに離れたものであるかを証明したと言えるでしょう。15名の裁判官のうち、2名が「合憲」と判断しました。その2名の「違憲判決」への反対意見は、多くの国民意識に合致するものです。「違憲」賛成の意見を載せないのは片手落ちかもしれませんが、あえてここにその反対意見のみを掲載します。

しかし「夫婦別姓」や「論文『家族が危ない−夫婦別姓化は私たち国民の重大問題−』」はひどいというしかない。
http://jinja.jp/modules/jikyoku/index.php?cat_id=1

夫婦別姓推進派が、手を替え品を替え様々な方法ですすめようとしているのに対し、 私たちは、当初から一貫して民法改正をともなう夫婦別姓制度導入に強く反対するとともに、その代替案として、「通称使用」の制度化をはかるべきと考えております。

夫婦別姓Q&A
夫婦別姓 TVタックルでカットされた高市議員の提案 平成14年1月29日
夫婦別氏制問題に軽率すぎる森山法務大臣 平成13年9月26日

http://jinja.jp/modules/jikyoku/index.php?cat_id=2

1.私たちの主張と見解
2.夫婦別氏制に向けた民法改正は全国民にとっての一大事
3.夫婦別氏制を導入しなければならない根拠とは何か
4.時代遅れの別姓化推進の女権拡張派グループの危険性
5.夫婦別氏制が導入されたらどのような問題が発生するか
6.夫婦別氏制に代る不利益解消策の提案
7.家族の別氏制はライフスタイルの選択権ではない
8.東洋と西洋の氏(姓)の形とその意義
9.わが国の夫婦同氏制の由来と歴史
10.夫婦親子同氏制堅持に結集して行動すべき

並んだコンテンツタイトルだけを見ても、内容がうかがいしれる。むろん、実際に目を通して想像が裏切られることはない。
http://jinja.jp/modules/jikyoku/index.php?content_id=11

質問 夫婦別姓って何ですか?


回答 現在の法律では、男女が結婚したらどちらかの苗字(姓)を選んで、夫婦はひとつの家族として同じ姓になることになっています。それを別々の姓にするというのが夫婦別姓です。これには私たちの生活に最も関係している民法の改正が必要ですので、夫婦別姓を推進している人たちはさまざまな活動を行っています。私たちが知らない間に「夫婦別姓」が決まってしまうかもしれないという危険性があります。

いきなり法律で強制的に別姓にするという話であるかのような認識を示されるQ&A。

質問 夫婦が別姓になると家族の絆(きずな)や子供への影響はどうなるでしょう?


回答 夫婦別姓を推進している人たちは、「夫婦が別姓でも家族の絆はくずれない」と言っています。しかし、内閣府世論調査では約7割の人が「子どもにとって好ましくない影響があると思う」と答えています。「別姓になったからといって家族の絆がくずれる程度の家族だったら、遅かれ早かれいずれは崩壊する」という他人事はどうでもいいような意見や、さらには「そもそも家族に絆なんているの?」という一般常識からすると考えられないような意見さえあります。夫婦別姓を既に採用しているスウェーデンでは、家族の崩壊が進み、一番の被害を子供が受けています。

スウェーデンの人にごめんなさいしなければ。
そもそも論議されているのは選択性の夫婦別姓であって、法律で強制的に別姓にするという話ではないので、「他人事」という認識はずれている。

質問 ほとんどの夫婦が夫側の姓を選んでいる現状は、男女不平等ではありませんか?


回答 不平等とか、差別とか言われるとすぐこれはいけないことだと頭ごなしに決めつけられやすいですが、果たしてそうなのか、良く考える必要があります。さて、夫婦同姓制度の今、確かに男性の姓を選択している夫婦が多いですが、法律では夫婦となるふたりの合意のもとで、夫か妻のどちらかの姓を選ぶとなっています。どこに不平等があるのでしょうか。男性の姓を選ぶのが多いのは、日本人、いや世界的に見ても慣習なのです。ほとんどの人が何の違和感もなく受け入れてきました。これを不平等だから法律で半分は妻の姓にしようというのはかえっておかしな話です。

社会の不平等が反映されているのではないのかという当然の疑問*1に対して「慣習」と答えるのは、何というか根本的にどうよ。
そもそも論議されているのは選択性の夫婦別姓であって、法律で強制的に妻の姓を選ばせるという話ではないのだが。

質問 姓と家族の一体感は無関係ではありませんか?


回答 夫婦別姓推進派の方は、「家族の一体感は、愛情と信頼で保つべきもので、姓が同じかどうかなどという外見上の形式で保つものではない」と言っています。その他にも、「同姓でも、破綻している家族はいっぱいあるし、別姓でも仲良くやっている家族はいっぱいある」「本当に仲のいい家族は、同姓か別姓かなんて関係ない。姓が同じでなければ一体感が保てない家族は既に破綻している証拠だ」更には、「別姓の方が、愛情や信頼で家族の絆を保たなければならない分、真剣にお互いのことを思いやるので、却って一体感は強まる」これらは、シートベルトのたとえで考えると分かりやすいと思います。シートベルトは、身の安全のために締めるものですが、シートベルトさえ締めれば絶対死なないと思っている人はいないでしょう。シートベルトさえ締めていれば、安全運転に心がける必要はないと考える人もいないでしょう。「シートベルトを外すと、必ず死んでしまう」なんて誰も考えてません。確かに、シートベルトを着用していても死亡した例はいくらでもあるし、着用していなくても助かった例はいくらでもあります。だからといって、シートベルトが無意味だということにはなりません。夫婦別姓の問題も同様ですね。「家族が同姓でありさえすれば、家族が仲良くなる」などと考える人はいないでしょう。愛情や信頼が大事であるということは誰もが知っています。だからといって、家族の姓がバラバラでも構わないということにはならないのです。特に、「別姓の方が、却って一体感が強くなる」という理屈は、「シートベルトをしない方が、安全運転に気をつけるので、却って事故が少なくなる」と言っているのと同じで、倒錯した論理です。

この夫婦同姓シートベルト論は、ある意味で面白かった。その夫婦同姓とシートベルトが相似となる根拠を出さなければ意味がない。

質問 他に参考になる本があれば紹介して下さい。


回答 

   ・『ちょっとまって! 夫婦別姓
    「日本の教育を考える母親の会」
    「夫婦別姓に反対する女性フォーラム」編
  日本教育新聞社 税別1500円
   ・『夫婦別姓大論破』 八木秀次宮崎哲弥共編  洋泉社
   ・『やっぱりアブナイ夫婦別姓八木秀次
     日本政策研究センター 電話03-3268-6450 税込300円

神武天皇のY遺伝子を主張した八木氏の書籍をすすめる神道関係者というのも、興味深い光景ではある。
よく知られているように、かつての日本は夫婦同姓ではなかった。「北条政子」や「日野富子」といった名前を歴史教育で学んだはずだ。そこで日本の伝統をどう記述するのか、皆さんも気にかかるところであろう。
http://jinja.jp/modules/jikyoku/index.php?content_id=9

 ところで、わが国ではどうだったでしようか。
 歴史的には、江戸時代に武士階級が身分的特権として「苗字帯刀」が許されていましたが、それはほんの6%程度で、その他の一般庶民は、苗字はなく、ただ名前だけで、いわば「無姓制」が実態でした。
 明治になって新政府は、近代国家として国民すべてを掌握する必要から、明治3年(1870年)に「平民苗字許容令」を出して、はじめて一般庶民にも苗字の公称を許しました。同八年には、さらに全国民にこれを徹底するため「苗字必称令」を出しました。これ以後、日本国民は一人ひとり、創氏された苗字を名乗るようになったのです。

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     /ノ   ヽ、_\
   /( ○)}liil{(○)\
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  |   ヽ |!!il|!|!l| /   |     ・・・明治までの歴史をなかったことにしやがったお
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……実は他国の例を語っているページの末尾で形ばかり言及してある。前世紀の遺物という主張とともに。
http://jinja.jp/modules/jikyoku/index.php?content_id=8

 いづれにせよ、洋の東西を問わず人間社会の夫婦の氏のあり方としては、「夫婦同氏(姓)制」こそが基本だということなのです。それで加地教授は、日本でも江戸時代までは、一部武家社会では、儒教的別姓結婚が行われていたが、明治の近代になって折角国民が皆近代的同姓制になったのに、また前近代への逆戻りするような夫婦別姓こそ「前世紀の遺物」とまで明言して、別姓化に強く反対しているのです。

前後するが、このページではキリスト教国は夫婦同姓が基本という説明をしている。
ならばQ&Aで例示されたスウェーデンはどういうことなのかと思うだろうが、そのあたりの説明がいっそうひどい。

もともと英国の慣習法を継承したピューリタンの米国は、むろんはじめから「夫婦同姓制」の国でしたが、その後世界の諸民族、諸宗教者が移民者として流れ込み、さらにウーマンリブフェミニズム運動、それに少数民族らのマイノリティの権利獲得運動などが起こってきて、社会的にひどい混乱を引き起こし、その対応方も五十もある各州の法律でまちまちで、われわれの参考には到底なりえません。最近では、男同士、女同士の「同性愛結婚」をも法的に認めるべきか否かをめぐって議論しているくらいの混乱ぶりで、その反動で全米では、宗教者は勿論のこと政治の世界でも「家族の伝統的価値」の見直しの動きが高まってきています。

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     /⌒三 ⌒\
   /( ○)三(○)\
  /::::::⌒(__人__)⌒:::::\   おまえらが何を考えてるのか、よっくわかったお
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最後に、このサイトでは最近の原発問題に関する反原発本が紹介されているのだが、これもある意味で興味をそそられる。
http://jinja.jp/modules/amaxoop2/article.php?lid=46

原発には愛がない。「親日原発」のすすめ
日本人は国難を君臣一体で乗り越えてきたが、原発事故の暗雲はがんばりでは晴らせない。「保守=原発賛成、左翼=原発反対」の先入感を排し、環境問題の専門家でもある皇統保守の著者が説く、目からウロコの反原発論

そのウロコはたぶん落としてはいけないウロコなのだろう。

*1:質問の文章は微妙だが。