今週も高橋晃作画監督。スタジオダブが要求するアニメーター作業量はおかしい。両作品を見ている視聴者としては、せっかくキャラクターデザインに抜擢された『スイートプリキュア♪』に専念させてほしいのだが。
原画は基本的にスタジオダブ勢だが、冨田与四一が相当量を担当していたと思われる。特にネネが登場するカットは全般的に艶やかな作画が楽しめた。少し間違うとフリーキーになりかねないほど肉感的なプロポーションも美しい。しばらく表舞台から退場していたリリスモンも色々な意味で大活躍*1。えんどうてつやシリーズディレクターがコンテを担当した回だけあって、力が入っていた。
脚本もシリーズ構成の三条陸。ネネが敵に回った弟と再会して真意を知る重要な話を、過去に登場した仲間たちに再び出番を与えつつ、アクションにも見所を用意していた。
特に、過去にキリハが敵に洗脳された場面を思い出し、その経験と比較することで今度の弟は洗脳されておらず、幼児の無邪気さで戦いをゲームととらえていると確信する展開が素晴らしい。ただ敵に人質がいるという構造を超え、物語に葛藤が生まれ、こえるべき障害も高くなる。同時に、今回の結末で早くもネネが精神的に立ち直って、自らの目標を再確認したところも前向きでよかった。
あと、この場所に弟が存在していて、敵側にメリットが感じられなかったことにも、ちゃんと以前の邂逅描写をふまえた理由があって、地味にていねいな作りがいい。