故郷を見聞してきたアリーを、レン達が仲間として迎える回。
今回はアリーの知られざる面が描かれる。家事が不得意だったり、文化活動にうとい優等生という、それ自体はありきたりなキャラクター性。しかしレン達との齟齬を見せることでコロニーと地球の差違を強調し、作品の独自性を出している。
特に序盤、元素消失による資源不足を理由として、何度も洗濯機を使ってはならないと注意される場面が面白い。洗濯自体を失敗しているわけではないので、アリーの優秀な印象をさほど減じず、かつ元素消失という災害に見舞われている地球の状況が印象づけられる。
そうして地球の文化や人々を念入りに描くことで、作中の地球に存在感が生まれ、アリーの故郷と実感できれる。元素消失で崩壊したという故郷の絵は全く出てこず、台詞での説明もほとんどないのに、結末で泣くアリーにしっかり感情移入することができた。
アリーに対する博士からの説明もあり、シリーズ全体の方向性も見えてきた。
ただ、アリーと対比させるためかハンナの有能さが薄れ、ただの身勝手な少女と描かれているのは、やりすぎだったと思う。周囲との協調を模索しているアリーと対比するよう、異なるベクトルの有能さを描いてほしかったな。
