ネオQEXの度重なる出現と消失。それにふりまわされたレンは家を何度もあけ、日常生活との両立が破綻し、母と感情がすれ違ってしまう。
レンの勝手を許してきた父が冒頭で元素崩壊に巻き込まれ入院していたこともあり、ついに母は疲労で倒れてしまう……
奥村よしあき監督がコンテ、荒川稔久シリーズ構成が脚本。
つまるところ、一方のコミュニケーション要求が、他方のコミュニケーションを阻害するという構図。母との行き違いを解決することで、ネオQEXと友好関係を持てる可能性に思いいたるレンが、良い意味で主人公している。序盤のような熱血ぶりではなく、身近なドラマの流れから大状況にも影響を与える展開であり、つまりはキャラクター性だけでなくストーリーで主人公と示されたわけだ。
冒頭の父が墓前で過去をにおわせる発言をして、そのまま新展開に繋げるかと思えば伏線にとどめ、元素消失に巻き込まれる変事から逆に母のドラマになる意外性も、個人的には良かった。
ただ、あいかわらずハンナのキャラクターが不安定。他人を意のままにするため演じていると考えられる場面はまだしも、一人でいる時も性格が異なるので視聴者がフォローすることも難しい。
特殊なキャラクターなので、SF的な設定が用意されている可能性がないとも言い切れないが……
