定型化した怪談と、定型化していない都市伝説の、中間くらいに位置する話が並んだ。
「猫、学校へいく」は何かがあったが何なのかわからない前菜。「池のふちの道」は起承転結がそれなりにあるメインデッシュ。「ひらめになれ」はいかにもなデザート。
判然としない結末の割り切れなさが、現代怪談らしいのも確か。だが、やはり尺の短さにもったいなさを感じる。特にメインデッシュは起承転結がそれなりにあるから、もっと尺を使ってふくみある物語を見せてもらいたかったところ。
ただ、アンコが主人公だから小学生目線で主要な話が進むとばかり思っていたら、いきなり2回目のメインデッシュでアンコ父が主人公になったのは驚いた。この幅広さは今後を期待させる。
角胴博之演出で、前菜は日常的な学校風景に突如あらわれる違和感*1、メインデッシュは森と家屋が田園を挟む田舎の風景、デザートは短時間だからと文字通りの魚眼レンズ*2や広角レンズ*3で遊んだ構図。
猫が教室を飛び出る前後の作画も面白いし、映像は期待したくらいには楽しめたかな。