法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』第20話 墓前の父

今回は原作において、前アニメのオリジナル設定と全く異なる錬金術設定が示された。初回から主人公兄弟を苦しめ続けてきた“母のようなモノ”と、弟が記憶を取り戻した時に思い出した光景の真相が明かされる。その真相と前回に死んだ男の設定を合わせ、“希望”に繋がる論理が示された時には興奮した。
しかし、それをオーソドックスにアニメ化した今回が、説明台詞過多になるのはしかたないか。墓を暴く場面あたりで少し描写を足したり、謎解きの構成をいじれば、アニメならではの印象が生まれたと思うが、あまり間を入れると原作を最後まで消化できないだろう。残酷な状況を率直に映像化すること、それ自体の凄みは確かにあったのだが、原作を追体験する以上の面白味はなかった。
絵が動かない分、声優陣の演技が聞き所なのだが、個人的に声優への興味が薄いので、師匠と夫のやりとりが印象に残ったくらい。


ふり返ってみると、同じように説明台詞が多かった第18話*1は、友永和秀が連名で演出していたりして、終盤の激しいアクションから次回に引いたりして、アニメならではの見所があったな。
今回のように原作で重要な説明回だと、変更できない描写が多くて、どこか窮屈な作りになってしまう。

*1:感想はこちら。http://d.hatena.ne.jp/hokke-ookami/20090802/1249399933ネタバレになるので書かなかったが、ラストの死をホークアイの死であるかのように引っかけていた次回予告も小技が効いていた。