法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

新興宗教エンピツ教

学校のテストでわからない問題が出てきた時、六角エンピツの各面に数字を書いて転がし、出てきた目で解答するという、一種の神頼みがある。偶然に正解が出てくる確率はある。
しかし、計算式等で思考の過程も書かないとならないタイプのテストでは、偶然に正答が出ても意味がないだろう。偶然に正答が出たとして、「エンピツを転がして出てきた数字」などと書いて点数がもらえると考える人は、まずいないのではないだろうか。
しかし驚くべきことに、科学や歴史においては、結論がたまさか通説の範囲内であれば方法論に問題はないと発想する人が後をたたない。
http://d.hatena.ne.jp/gokinozaurusu/20090530/1243701681


例外的に、コロンブスのように誤った理論から偶然の成功をおさめる冒険者もいるが、それは試して成功する者が他にいなかったからだ。すでに正しい結論が共有されている場合、偶然に正しい結論が出ただけの方法論に意味はない。
かつて、あらゆる超常現象をプラズマで説明しようとしていた大槻義彦教授が、結論は正しくても論理はトンデモと批判されたことがある。そして現在の大槻教授は、アポロ宇宙船の月着陸が疑わしいと主張するようになった。二つの誤った主張が必ずしも関連しているとはいえないが、たまたま正しかっただけの方法論に信頼性はないことを象徴する逸話だと思う。