法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ドラえもん』のび太のプロポーズ作戦

のび太の両親、のび助と玉子のプロポーズした日が長編で描かれる。
メガネを外して美少女顔を見せ、めかしこんだ玉子がはしゃぐ姿に、何ともいえないむずがゆさを感じた。かつて美少女だった者を、かつてアイドル声優だった*1三石琴乃が演じる面白さ。


しかし今回、長編にするため原作をふくらませるのは当然だろうが、必要性の感じられない描写も多かった。
他の話では二人兄弟という描写ばかりなのに、のび助の妹が今回だけ出てくる*2原作に違和感を指摘する向きは多いので、通りすがりの女性から迷惑をかけられる展開へ改変した意味はわからないでもない*3。プロポーズするよう父を説得するのび太が、自然に両親への思慕を口にする流れも悪くない。
しかし、おだやかに終わった原作の結末を、のび太への説教へ改変した意図がよくわからない。ワンパターンに当てはめただけと感じる。
タイムパラドックスの描き方も考証が甘い。過去の謎解きを主眼にした原作から、タイムパラドックスを回避するサスペンスへ中途半端に改変した結果、様々な描写で齟齬が起きている。
また、思わせぶりに出てきたカスミ草が、特に何の意味もないという展開にも首をひねった。ラストに大写しするくらいなら、プロポーズした過去においてカスミ草とかかわる出来事があるべきだろう。

*1:声優への興味は比較的に薄いので、的外れであったら失礼。

*2:時々に登場する「北海道のおばさん」が同一人物という説を見かけた記憶もある。

*3:声優変更前にも改変されたことを指摘する人がいる。http://blogs.yahoo.co.jp/itouk_monogatari_rekishi/27164919.html