法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『佐武と市捕物控』第5話 女スリを追え/第6話 死を呼ぶ子守唄

第5話は、佐武の幼なじみであった女性をめぐる物語。スリに転落した女性を救おうと、佐武が奔走する。
女スリは中盤で早くも裁きを受けて刑期を終え、後半は女スリを再び手先に使おうとする黒幕と佐武の戦いとなる。つまりサブタイトルは、女スリを捕まえるため探す前半と、助けるため探す後半とのダブルミーニング
いつも佐武に思いを寄せている女性が嫉妬して女スリをなじったり、展開全般が古めかしい。実際に昔のアニメとはいえ、一昔前のラブコメを見ているような気分になる。
一度転落した人間の社会復帰が困難であることを描いた話だが、いつもなら軽快と感じさせる展開が、今回は拙速という印象。


第6話は不幸を呼ぶと周囲に思われ、忌避される子供をめぐる物語。佐武や市に両親がいない背景が、こういう話で効いてくる。
冒頭、子供が河原を独り歩いてくる姿を、じっくり長回し気味に描いて不気味な雰囲気を作り上げている描写等、演出全般が素晴らしい。
しかし無垢の邪悪さを描いているわけではなく、両親の死など全てを義理の両親がしくんだことが序盤から明かされており、どんでん返しの楽しみはない。最後まで義理の両親を善良そうに描けば、同じ物語でも先が読めず楽しめたと思うのだが。