因縁のある弁護士が特命係に接触してくる。連続殺人の女性被疑者が、名誉棄損の和解条件として、刑事を呼ぶように求めたのだという。
そして特命係は女性被疑者の情報にあやつられるように、溺死した研究者をめぐる真相をたしかめることになる……
犯罪者が檻の中から刑事をあやつって、ひとつの事件の真相をあばく。その動機が道義心なのか好奇心なのか優越感なのか、視聴者に悩ませる。そんなパターンの物語。
山本むつみ脚本だが、特異なキャラクターが新登場して、今回も以前に感じた真野脚本っぽさ*1がある。そのキャラクターの特性が、事件の真相とは直結しないくらいにポイントとなるのも以前のエピソード*2を思い出させる。
溺死事件そのものは古典的なトリックで、良くも悪くも1時間ドラマレベル。良かったのは被疑者と研究者をむすびつけたブラックパール購入問題で、きちんと伏線にそって現代的で皮肉な真相を提示できたところだ。
一方、詐欺ははたらいたが殺人はしていないという女性被疑者の主張については宙ぶらりん。むしろ特命係はひとつの殺人の可能性を指摘するが、証拠は何もない。レギュラー化しそうな結末だったが、きちんと描いてくれるかどうか。