法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『機動戦士ガンダム00』セカンドシーズン#2 ツインドライヴ

コンテ演出は北村真咲。
今泉良一キャラ作監で、キャラクター修正は甘いというか乱れがあったが、主人公がアルコール依存症患者を迎えに行く場面などは逆に浮き立っていて、面白い画面になっていた。
メカ作監は有澤寛。ガンダムセラヴィーが全身の砲を展開した時、ワカメ影*1の現代的解釈が見られて興味深かった。煙エフェクトを細かく描くことで、遠くで巨大な爆発が起きていることを表現する手法も決まっている。


今回はアバンタイトルで振ったネタをクライマックスで回収する、ロボットアニメの王動展開につきる。わりと一期でもAパートでふったネタをBパートで回収していたりしたが、敵味方の技術格差が圧倒的だったこともあり、あまり前面に出ていなかった*2。危険な機能を試みても失敗し、主人公の叫びに呼応するように成功する二段構えになっているのもタメが効いていて、爽快感に繋がっていた。
光る粒子が画面狭しと散布され、殺陣も広い空間を感じさせ宇宙らしさがあり、肝心のアクション自体の出来も良かった。


ドラマとして見ると、個々のキャラクターにほとんど変化はない。掘り下げはあっても、一期から継続するキャラクターと二期から新登場のキャラクターを整理することで手いっぱいの様子。
……いや、スメラギ・李・ノリエガの正体を組織外部に明かして後戻りできなくさせるドラマは緊迫感あった。しかし客観的に見ると、アルコール依存症の元彼女を更生させようとがんばっている男に、女の正体は男と敵対するテロリストだったと主人公が告げ、テロリストの道に女を再び引きずりこんで去っていく……という、ひどすぎる話だからな。

*1:金属を表現するため、油を塗ったような独特のヌメリ感がある影のこと。形が海藻のワカメに似ているのでワカメ影と呼ばれる。1980年代に流行したが、デッサンを重視し光源を意識した影つけに押されて廃れた。

*2:これはこれで味わい深かったが。