法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『Yes!プリキュア5GoGo!』第9話 名探偵こまち登場!

大塚健と座古明史の連名演出回。期待したようなアクション回ではなかったが、ある意味で傑作。
これまで清水東脚本は良くも悪くも印象に残らなかったが、今後は注目してみよう。


前回に続いてミステリ的な展開だが、どうしてもクイズ紛いな解答になりやすい暗号物ではなく、ケーキを盗んだ犯人探し。全員にアリバイが有りそうで無いため、どうやって盗んだかではなく心理的な足跡で犯人を探すことになる。
真相自体は冒頭からあからさまなのだが、くり返しギャグな誤った犯人指摘から、犯人を指摘しようとする者が一転して疑われる展開まで、ミステリの定石を踏まえつつ軽く笑えるものとなっている。
変身シーンすら笑いに組み込む掟破りにいたっては、子供の視聴者がついてくるのか心配になったくらい素晴らしかった。


真相判明で一度は真面目な空気にしながらのひどいオチも、見返す度に感心するようになった。
まず最初にケーキを開ける時の主人公が全く無反応で、アンフェアな感もあったが、食欲旺盛な性格を考えれば反応しないことが伏線ともいえる。
ケーキ全てを盗んだ犯人があからさまという点も、オチを隠す見事なミスディレクション
一度クリームの識別を視覚で行い、味覚でクリームを判別できる伏線に気づきにくくさせる技巧もいい。単に味覚でクリームを判別するだけではなく、真犯人確認の流れでやっているため、より視聴者に違和感を持たせないようにしている。
おまけに、前回*1つっこみの対象だった主人公の異常な味覚嗅覚も伏線となり、結果的に前回のフォローにもなっている……かもしれない。