法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『機動戦士ガンダム00』MISSION-22 トランザム

〜全方位から攻撃されるなら全方位に攻撃し返せばいいというコロンブスの卵に爆笑〜
Aパート戦闘は予告だと変な絵面としか思えなかったが、本編では数にまかせた強引な対処という雰囲気があって、これはこれで悪くない。完全な円陣ではなく、もう少しリアルによせた編隊であって欲しくもあったが。
Bパート戦闘は花火のようなGN粒子、三つ巴のボリュームある格闘戦、ドラマのテンションに合わせて逆転するガンダムエクシアと、古典的ながらハッタリの効いた絵が多く、多彩なアクションで良かった。


自分の肉体*1を利用してまで、世界の安定を構築しようと考えていたイオリア・シュヘンベルグが面白い。これだけで、愚直なまでに高い理想を求めたマッドサイエンティストとしてキャラクターが立った。
一見すると矮小な存在かと思わせて裏をかき、そこで失望するかと思わせてなお希望を持ち続けるという、落としてから持ち上げる展開も効果的。
ネットで見かけた意見で、もしガンダムが敵の手に渡っていたら逆効果の罠だったというものがあったが、個人的には疑問ではない。オリジナルのガンダムが意図しない方向に使用されたなら、別の罠が発動したと考えればいいだけだろう。


協力者ラグナが暗殺されたことで主人公達は軌道エレベーターが利用できなくなったわけだが、それを推測する根拠として前回の襲撃に言及。これで同時に前回なぜ主人公達が発見されたかの説明もつく。
トリニティ側も、食糧すらまともに補給できない姿を見せ、協力するそぶりを見せた王留美にたよるも断られ、追いつめられて判断力がにぶっている様子をしっかり見せる。おかげで、油断してガンダムスローネを奪われる御都合展開にも、さほど違和感がなかった。


設定を隠す必要もなくなったためか、物語の進行が速くなっているのにフォローも細かく入ってきている。一期終了に向けて良い調子だ。

*1:コールドスリープということは、おそらく寿命等で死んだ後ではなく、遅くとも死ぬ直前の状態だろう。偽物であれば、それはそれでまた違う展開になるだろうが。