大規模戦闘は、SF設定によるファンタジーな解決がなされた。『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』を思い出す豪腕ぶり。
半年近く前振りを散りばめていたため心の準備こそ出来ていたものの、結局ほとんどの人間関係を振り出しに戻しただけに終わったこともあって*1、釈然としない気分は残った。思い返せば、竹田PDアニメは物語中途こそ刺激的で陰惨な展開が多いが、最終的には無理やりといえるほど強引に大団円へ持っていく。
そのような展開の中、人間の姿をした非人間から非人間の姿をした人間へと変わったティエリア、わだかまりを踏み越えてガンダム乗りとして戦い続けることを決意したロックオン、それぞれの描写が目を引く。特に後者は、人々がわかりあって、事態が解決していく甘い展開の結末で、適度に苦いアクセントになっている。かつ、前述した『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』が一瞬だけわかりあう奇跡を結末としたことに対し、それ以降が最終回で描かれる可能性を感じさせてくれた。
ロボットアニメとして見ても、大味に処理された大規模戦闘に対し、一騎打ちでアクションを楽しませてくれたロックオン戦の印象が良い。最終的な決着を生身でつけたことも良かった。
正直、ロックオンがらみがなかったら、今回の展開は甘すぎて見ていられなかったな。
あと、ラスボスメカが初代『機動戦士ガンダム』で主役を補佐する立場だったガンキャノンを模している*2のも、完全に予想外で楽しかった。もともとガンキャノンは主役ロボットとしてデザインされており、相応のデザイン個性がある。赤を基調とした機体色自体も、青を基調としたダブルオーライザーと好対照で、考えてみると今作のラスボスに最もふさわしい存在かもしれない。