法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『Yes!プリキュア5GoGo!』第4話 うららの台本を届けろ!

作画が凄い、いや凄まじい。まだ若さを感じる部分もあるが、新人なのか古参の冒険なのか。
人間体シロップが台本を届けに坂を駆けるアップあたりから、何かが変わった。ほとんど顔しか画面に映らないカットなのに、肩と頭の動きから必死で走っている様子がわかる。背景を高速で引いたり、手ぶれカメラのように画面をゆらすような手法にたよらず、アニメートの力だけで表現しきった。
戦闘では影を無くし、キャラクターのフォルムをデフォルメ。強調された体重移動に、見事な回り込み。立体を完全に平面へ再構成して動かす作画には、もう西田達三*1フォロワー登場かと思った。煙エフェクト作画が全く違うので*2、同一人物とは思わなかったが。
西田作画風味は、現ED終盤の作画でも感じていた*3。あるいは今回と同じアニメーターが担当したのかもしれない。煙エフェクト作画から見ると田中宏紀かとも思えるのだが。


前作に続いて、うらら初回の担当だった大塚隆史演出も力が入っていた。坂の走りで登場人物の情動を、回り込みで不安感を表現。ただ坂の昇り降りでデジタル拡大縮小を用いたのは手抜き感あった。背景のパースと人物の動きが合っていない。


物語も、まずシロップ視点でのドラマを展開させてから、話の主軸を自然にうららへ渡し*4、オーディション内の演技と現実の戦いと重ね、登場人物の感情をきれいに導いていく。
好みでいえば、オーディションをがんばるうららと、戦闘をがんばる残り4人が重なり合う展開でも良かったな。女児向け玩具アニメでは無理な展開とわかっているが。


何にしても、感じた欠点は、あくまで一部が趣味と合わない程度。
全体的には、期待をはるかに上回る内容で大満足。この回があっただけでも、この作品に価値があると断言できる*5

*1:特徴的な絵柄で作画監督経験者とはいえ、まだ20代の新人アニメーターであり、フォロワーが登場するには早すぎると思う。

*2:円弧を組み合わせる西田エフェクトと違い、影こそ少ないが鋭角でオーソドックスなエフェクト。

*3:http://d.hatena.ne.jp/hokke-ookami/20080203/1202078779

*4:配達人という設定が物語にうまくはまっている。

*5:……とはいえ、今回のせいでハードルが上がってしまったこれからが問題。初代の『ふたりはプリキュア』8話、五十嵐卓哉演出回みたいに、序盤傑作回を超えられないままというのも困る。