法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『機動戦士ガンダム00』MISSION-20 変革の刃

〜提供されたモビルスーツは、おそらく罠〜
敵対組織の内紛で提供されたという機体を安易に全て投入する人類革新連盟は、少しどうかと思った。いかにも中国が主導している勢力らしいな、と思えなくもないが。
グラハム個人が心情的に反発しているだけであっても、自力で開発した既存の兵器を信頼するユニオンが正解、という気がしてならないし、おそらくそういう展開になるのだろう。
もしかしたら、操縦するのは基本的に指揮のためというキャラクターのセルゲイと、隊を指揮していても基本はパイロットというキャラクターのグラハムを対比する意図があるのかもしれないが、たぶん深読み。


さて、主人公側の、紛争に対して武力介入を続け平和をもたらす宣言が、作品目標と別であることは確実視されていた。幾度となく「矛盾」と作内外から指摘し続けていたので、いずれ別の展開があるだろう、と。
そういう考えから、主人公側がたどる立場の展開予想は、大きく別けて2つあった。主人公の所属する組織、ソレスタルビーイングが真の目的を隠しているという予想。もう一つは、ソレスタルビーイングは嘘をついていないが、構成員が矛盾に耐え切れなくなるという予想。


つまりは、武力介入を続けて世界全体から敵と認知され、各国家の結束力を高めていく展開。
あるいは、武力介入を続ける間に矛盾が降りかかってきて、主人公が組織を離れるという展開。


しかし、その予想範囲の展開を組み合わせ、新勢力スローネに組織の矛盾を押しつけ、各国家を結束させつつ主人公が物語から退場しなくてすむようにするとは予想できなかった。考えてみれば、敵勢力で比較的に対話が可能そうな派閥と交渉するのは、現実でも珍しい話ではない。テロリストに対してであっても、穏健派に転向した相手と接触を持ったり和解している様子は、よく報道で流れている。
主人公が罪をかぶらないですむ展開というだけなら物語として安易だが、そう思わせるように作中の存在が計画していたなら別。これなら主人公が免罪されたままにもならないだろう。


角田一樹コンテ演出は、MISSION-12に続いて良い戦闘を見せてくれた。地上の人間とモビルスーツを対比する構図で、巨大感がよく出ている。空中戦も前後左右だけでなく高低を意識し、空間の広がりを感じさせた。
前々回の長崎健司コンテ演出も良かったし、両者が助監督として合流したことは、確実に戦闘演出向上へ寄与していると思う。