法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『機動戦士ガンダム00』のモデル

第6話にて登場した傭兵、アリー・アル・サーシェス。金のために戦うアリーは、主人公刹那が乗るガンダムエクシアを技量で圧倒する。
さらに第7話では刹那を少年時代にテロリストとして育てていたことが判明する。アリーは神の存在を口にして、非戦闘員を殺戮した少年達を褒めたたえた。そんなアリーが、世界全体に対してテロリズムをしかけるようになった刹那に対し、国家の秩序を守る側として戦いを始める。
第7話のアリーには、同時多発テロを発生前に予期していたかのような描写もある*1
「中東で狂信的テロリストを育てる」「育てたテロリストと後に敵対」「同時多発テロ」というキーワードがそろえば、モデルとなった人物もおぼろげながら浮かび上がってくる。


……ジョージ・ブッシュ大統領。


無理やり真面目な方向で話してみよう。
映画、アニメ、ノンフィクション、様々な場面で戯画的に描かれることが多いブッシュ大統領イラク戦争を肯定する立場や、ブッシュ政権は支持する人でさえ、ブッシュ大統領を優秀や知的と評価することは少ない*2
アリーがブッシュ大統領をモデルにしつつ*3、あえて格好良くも戦闘に強い*4キャラクターにしたのだとすれば面白い。批判対象*5を侮蔑的に描くより、ずっと物語に深みが出る。

*1:ただし、同時多発テロが予期され、被害は捏造されたものという主張は、陰謀論にすぎない。

*2:ただし知的に見えない点は、非エリート層に親近感を抱かせるという評価に転じることはある。

*3:ガンダム00』で米国大統領も登場しながら、さほどブッシュに似ていないことも一つの傍証。

*4:戦略的失敗で敗退することはあっても、米軍が現在の世界で最も強い軍隊ではあるだろう。同僚の死を避ける点も米軍と共通している。ただし、引き際の良さなど現在の米軍から想像しにくい性格も見られる。

*5:幼い主人公に神の名で殺人を犯させ、少年兵に仕立てた描写から、いずれ批判されるだろうと推測。もちろん、今後の展開によって別の視点が加わる可能性はある。