法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『機動戦士ガンダム00』MISSION-4 対外折衝

〜あの深度を素潜りというのは無茶すぎるとは思うが〜
物語進行と設定説明のためだけに人物を配置する構成が、いっそ清々しい。実際、各話ごとにモビルスーツのアクションを配置しながら、疑問を一つ一つつぶして世界の動きを説明していると思えば、ずいぶん見やすくなる。
今回は、どのような判断でソレスタルビーイングが動くか*1。そして前に主人公機ガンダムエクシアが空中で放り捨てた盾が戻った経緯と、地上の監視体制から隠れてガンダムが移動できる方法の提示といったところ。
武力で示威しただけで攻撃するのはアンチヒーロー然としていっそ心地よく、水中行動が可能というのも主人公の個性*2として面白い。


映像的にはイメージシーンにも枚数を使って力が入り、なかなか安定したでき。
しんぼたくろう作画監督は他作品では書き込みが少ない絵柄で不評だが、この作品はシンプルなキャラデザインなので違和感が少ない。立体としての正確さ、芝居の良さが出ていた。
原画に高村和宏の名前があるが、中村プロ所属のアニメーターで、MISSION-2のキャラ作画監督とは同姓同名の別人。少し前まで動画だったが、順調に原画まで担当することになった様子。


状況が二点三転した後に一番利益を得た国家を問う引きも上手かった。前面に出つつあるマリナ王女の立場を示しつつ、観客が物語に参加したくなる。
個人的には……反米感情を持つ国民と、従米に舵を切ろうとしていたらしい政府と、何も知らされず的にされた兵士と、タリビア国内では様々な衝突がある。国家で切り分けて利益を比較するのは、作中人物の立場をよく示しているが、観客が答えるにしては設問それ自体が卑怯といった感想。

*1:ついでにユニオンにおける中南米の政治的立ち位置は現在と同じか。

*2:他のガンダムも可能かもしれないが。