〜普段通りの話と思ったのに脚本が三人連名〜
夕暮の過去と霧中の現在、実体を持つ見えないモノと実体を持たない見えるモノ。対比して進行する物語で浮かび上がってくる記憶という、オーソドックスな謎解き話。迷子を探していたら自分が迷子だったという軽い導入が、後半の展開にも関わってくるという構成が、やはり手堅い。
姿を見せないイサコが、意図せずしてヤサコを助けたあたりも意味深。新登場のキャラクター、タケルもおそらくはイサコが以前の話で連絡を取っていた相手だろう。
作画陣は有名なアニメーターこそそろえてなかったが、キャラクターの実在感あふれる演技、特に歩きや走りで楽しませてくれた。コイルでは珍しい背景動画も。
影たるイリーガルと道を歩く幼いヤサコも、不条理な都市伝説を見ているようで怪談として乙。