法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『キミとアイドルプリキュア♪』第21話 とびっきり!キセキのユニゾン!

 雨にぬれて風邪をひいた咲良うたのため、蒼風と紫雨がお見舞いに。しかし咲良の心は晴れない。奇跡でも起きないかぎりプリルンの記憶はもどらないとメロロンは断言する。一方、プリルンのためにメロロンは占いができるグミをもってきた。そしてプリルンは知らずミラクルの起きるグミを引き当てる……


 まさかの大河内一楼脚本。放送前に情報を知った時から驚いていたが、もともと東映作品にはほとんど参加していないはずだし、今作の東映外スタッフと関係が深い感じでもない。しいて言うなら各話脚本で参加している綾奈ゆにこがシリーズ構成をつとめた『ビックリメン』に各話脚本で参加したくらいか。いったいどういう流れでプリキュアの脚本を担当することになったのだろうか。
 ともかく、どこまで脚本家の領分か視聴者が推測することは難しいものの、伏線をちりばめて意外性ある展開をきれいな起承転結をまとめる大河内脚本の良さが出ていたとは思う。伏線や前振りが多いわりにリアリティレベルがあやふやで効果があがらず、意外性ある展開が現実味を崩していくことも少なくない大河内脚本だが、今作はファンタジックな世界観なので設定で決められた悲劇を奇跡のゴリ押しでくつがえしても納得しやすい。
 新たなプリキュアになったばかりのプリルンが敵の怪物の素材になってから咲良まで変身不能になる展開まで、この段階での意外性ある出来事が面白い情景をつくりだして見ごたえがあった。妖精が怪物の素材になる珍しさに小道具設定でエクスキューズを入れているので、怪物の素材になった妖精が自力で脱出する特異な展開も許容できるし、それが記憶の回復につながったニュアンスも感じられる。怪物が暴走して敵幹部まで襲われる短い描写のおかげでイレギュラーな出来事と理解できる。
 生身の咲良が襲われるアクション作画は良好で、怪物を倒した後に敵幹部を追いはらう役割でキュアキュンキュンとキュアウインクの出番もあって変身ヒロインアニメとしても充実。プリルンの記憶はもどりつつメロロンの嫉妬によってチーム分けは維持されたままという緊張感を残して次回に続き、ここ数話の甘すぎない良さも残している。


 また、怪物化した異邦の友人に襲われながら生身で向きあい、傷つけられながら歌で説得する主人公の姿に、つい先日に放映された『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス) 』の最終回に期待されたドラマを感じなくもなかった。
 思えばプリルンも難民という属性をもつキャラクターだ。目先の芸能を楽しむその難民らしくない言動もふくめて、現在の日本のアニメで描かれる価値があると逆説的に思えてきた。