ゲーム『アサシンクリード シャドウズ』でダブル主人公の一方として史実に残る黒人の弥助がモデルとして選ばれ、その起用への反発から歴史的な位置づけを誤りとして、外国の歴史家個人に負わせようとする動きがある。
ゲーム『アサシンクリード シャドウズ』が日本を舞台に外国出身の黒人男性を主人公にした差別性は、漫画『ゴールデンカムイ』が北海道を舞台に和人男性を主人公にしたくらいに差別的な可能性はあるが…… - 法華狼の日記
その誤りを根拠づける外国出身の専門家として期待されているらしい能出新陸氏だが*1、少なくともゲームへの見識は信頼しづらいと考えざるをえない。
『ポルトガル商人には攻撃は不可能』
— Chief_MF (@Chief_MF) 2025年1月31日
やったよな?
引用 https://t.co/0CJLCBvIu5#Ubisoft #AssassinsCreed #yasuke #ThomasLockley #アサクリ #弥助 #ロックリー pic.twitter.com/Cux9o6q6DO
『ポルトガル商人には攻撃は不可能』やったよな?
引用 https://youtube.com/watch?v=_H4rKcZ0XOQ
#Ubisoft #AssassinsCreed #yasuke #ThomasLockley #アサクリ #弥助 #ロックリー
上記を引用して下記のように論評しているが、ポルトガル商人をフランス人とあつかっている時点で大丈夫かと不安になる。
面白いよな?アサシンクリードでは、女性や農民、神道の神職を虐殺するのはOK。寺を荒らすのもOK。
— Dr. Alaric Naudé (@Goryodynasty) 2025年1月31日
でもフランス人を傷つけるのはダメ。なぜかって?ゲームがそれを許さないからさ。 https://t.co/cfwulCgmsl
面白いよな?アサシンクリードでは、女性や農民、神道の神職を虐殺するのはOK。寺を荒らすのもOK。
でもフランス人を傷つけるのはダメ。なぜかって?ゲームがそれを許さないからさ。
能出新陸氏に賛同する引用が多いが、もちろんゲームの一般的な処理という指摘もなされている。
商人はショップ機能なんだからゲームでは当たり前で(和人でも同様)、何というか、批評や分析を行うには一次資料かそれに最も近いものにあたるのが学者の流儀と聞くが、自分の専門とまりでそうしたゲームの文化や成り立ちの経緯はガン無視、それがアサクリ叩き勢(に空気入れる学者)の「史実」というわけ https://t.co/NA8tI5tPT4
— 和寇 (@NWL_IVZM) 2025年1月31日ソース、17分台https://t.co/oN2atf6NXZ pic.twitter.com/krqwILwFE3
— 和寇 (@NWL_IVZM) 2025年1月31日
商人はショップ機能なんだからゲームでは当たり前で(和人でも同様)、何というか、批評や分析を行うには一次資料かそれに最も近いものにあたるのが学者の流儀と聞くが、自分の専門とまりでそうしたゲームの文化や成り立ちの経緯はガン無視、それがアサクリ叩き勢(に空気入れる学者)の「史実」というわけ
ソース、17分台
https://m.youtube.com/watch?v=_H4rKcZ0XOQ
歴史的に考えても、弥助を登用した織田信長は戦争をおこない、敵対的な寺社も焼き、外国の商人やキリスト教を優遇したわけで、それこそ史実に明らかに反する描写ではない。
そもそも一般人を殺したり祠を壊すことがゲームを進めるため必須ならともかく、プレイヤーの選択肢を増やすことがその選択を「OK」とするゲームといえるだろうか。良し悪しは別として、ゲームプレイヤーには失敗する自由がある。
なお、能出新陸氏は2024年12月になっても、呉座勇一氏が「無実」だったと考えているようだ。あまりにも情報の更新が遅すぎるし、呉座氏が史実を軽視した問題も理解できていないようだ。
私の知る限り、呉座氏は無実であり、訴えは魔女狩りのようなものだったと思います。本当に残念です。
— Dr. Alaric Naudé (@Goryodynasty) 2024年12月21日
私の知る限り、呉座氏は無実であり、訴えは魔女狩りのようなものだったと思います。本当に残念です。
もちろん呉座氏は女性差別までは当初から認めている。他の批判のいくつかに抵抗するように始めた裁判でも敗北を重ねているし、その結果として歴史修正主義に同調的なふるまいをしていたことも否定できなくなった。
オープンレター「女性差別的な文化を脱するために」をめぐる裁判で、オープンレターを発表した側の勝利で和解したという発表 - 法華狼の日記
テニュアの取消は撤回されたが、呉座氏の言動に問題がなかったと認められたわけではない。あくまで取消のてつづきに問題があるとされたわけで、無実よりも不当といった評価が正確だろう。
*1:Wikipediaの最初の版で編集者が把握していた単著と共著はひとつだけ、「人物」の項目が弥助関係で占められていることから、何に注目されて立項されたかうがかえる。 能出新陸 - Wikipedia