法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『おそ松さん~魂のたこ焼きパーティーと伝説のお泊まり会~』

 いつもと変わりばえのない生活をおくるニートの六つ子。しかし出会ったトト子と会話がふしぎともりあがり、たこ焼きパーティーにさそうことに成功する。がんばって準備した六つ子だが、さそっていない客がパーティーに参加しようと次々に松野家にやってきた……


 2023年に公開された日本のアニメ映画。シリーズの映画3作目にあたるが、監督が交代した2作目*1から山口ひかるへさらに交代。

 序盤の日常パートが長すぎるくらい長いが、結末を見ると意味はある。そしてパーティーがおこなわれる本筋だが、たびたびキャラクターのゲスな下心が漏れてくるところと、童心に帰って楽しむところのバランスがいい。
 その果てに始まるのは、まさかの逆ビューティフルドリーマー。ずっとオフビートな笑いを提供していた作品で、主人公たちを追いつめる動きが小刻みに連打され、珍しく六つ子に同情しつつも大笑いできた。もしループの開始にアイデアがあったり*2、ループの終えかたにドラマがあれば、1作目につづいてアニメ映画史に残りうる作品にもなれたかもしれない。
『えいがのおそ松さん』 - 法華狼の日記

文化祭の準備でわきたつ気持ちで青春を描いた『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』と同じように、同窓会でわきあがる後悔から青春を描いた作品として、アニメ史に残っても良い作品だと思った。わりと本気で。

 しかし3作目は1時間未満しか尺がなく、祭りのループから日常のループに戻るだけで終わった。主人公の六つ子は明らかに何一つ成長していない。それがこのシリーズらしいといえばらしい内容ではあるが、アニメをメタに論じた映画としても笑える人情劇としても意外な佳作だった1作目と同じポテンシャルはあると思えただけに、惜しさも感じた。

*1:『おそ松さん~ヒピポ族と輝く果実~』 - 法華狼の日記

*2:何か理由があるのかという問いが初期から何度もくりかえされるが、何となくだという肩透かしの答えひとつで済まされた。