大きなガラス窓の前で熱心にダンスをする少年がいた。紫雨こころが入るのをやめたダンス部の部長、寸田躍だった。ダンシングスターカップで優勝するため練習しているのだという。世界を旅行して会話ができなくてもダンスで対話できた寸田祖父がたちあげたダンシングスターカップ。寸田も世界平和のためにダンスをして、そのために回転をできるだけ速くしたいのだというが……
稲葉央明脚本、村上貴之演出で、男子プリキュア舞台劇「Dancing☆Starプリキュア」の宣伝エピソードにあわせてダンス部の部長を再登場させる。
冒頭いきなり『ワンダンス』*1が始まったかと思えば『トライブクルクル』*2だった。なぜかダンス技術より回転だけを重視しはじめる展開は『ヘボット!』か。
ともかく宣伝をかねたカメオ出演回らしくアクション作画演出にやたら力が入っている。演出の村上貴之は原画でもクレジット。また美少年が活躍するエピソードであるためか、TVシリーズでは5年近く参加していないらしい川村敏江が、ひさびさに共同で作画監督に入っていた。
その「Dancing☆Starプリキュア」は戦闘にも参加しつつダンス競技では別クラスで争って寸田の活躍を阻害せず、カメオ出演ヒーローとしては悪くないバランス。ただ残念ながら舞台の発声をアフレコ向けに調整できていないのか、舞台俳優なのに演技に違和感があった……
*1:ずっと昔の『トライブクルクル』『ブレイブビーツ』等に3DCGダンスの魅力が劣っていて、初回などは手描き作画でダンス描写をするべきではないかと思っていたが、むしろメリハリの足りないダンスのつたなさを区別して描写するため3DCGを採用したと感じられるようになって理解はできた。手描き作画では必然的に静止する絵が入って自然にメリハリが生まれてしまう。また第3話の動きの軌跡を見せる水泡エフェクトなどで3DCGの得意な描写も使ってきているとも思えた。
*2:ジェイ・エルをジオン・ズム・ダイクンと想定するなら、『トライブクルクル』は実質としてプレ宇宙世紀 - 法華狼の日記