法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『相棒 season24』第4話 みんな彼女を好きになる

 杉下右京は熊井エリザベスという奇妙な本名をもつ女性と語らっていた。熊井は降霊術をおこなうらしいが、杉下との出会いは紅茶店。貴方にだけは嘘をつかないと熊井は杉下に語る。しかし熊井を愛する米村という通信会社の社長が杉下になぐりかかり……


 存在感ある犯罪者を物語の主軸にしがちな真野勝成脚本で、かたせ梨乃が誰からも愛される謎めいた女性を演じる。怪しい人物がそのまま犯罪者だったという展開で、それも前半の時点で示唆されているとおりの富裕層向け詐欺師だったという真相で、あまり意外性はない。
 とはいえ英国貴族がアフリカの貧しい地域を支援するという大がかりな嘘を、実際に貴族であっても裕福ではない女性と、黒人だが日本人な男性と協力して信じこませる詐欺はけっこう楽しい。
 さらに最後のCMをはさんですぐに熊井が捕まり、余った時間でひとひねりされた真意を杉下が推理する。詐欺にもう将来性がないと熊井が判断した背景を、捜査中に判明した英国女性の情報にさりげなくまぎれこませていたところは良かった。


 ただ致命的な問題として、熊井にまったく怪しい魅力が感じられなかった。男女から愛され信用される女性にも、杉下を本当に愛しているかもしれないと思わせる犯罪者にも見えない。そのため杉下をのぞいて誰もが熊井にのめりこむことを前提とした真相にも説得力を感じなかった。
 あまり俳優の知識はないし、演技の良し悪しを感じることも少ないが、2時間ドラマ常連のかたせ梨乃が今回の犯人像に向いていなかった気はする。それこそ吉永小百合とか、そういう私でも知っているレベルの俳優であれば同じ物語でも画面に説得力が生まれただろうとは思うのだが……