法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

東野篤子氏への予約被害を批判した浅羽祐樹氏も予約被害にあったのを知って、いよいよ暇空騒動が余命事件に似てきたなと思った

 2023年3月、暇空茜こと暇な空白氏*1国際政治学者の東野氏に対して、「メスになった青識」などと意味のよくわからない論評を突然おこなった。


メスになった青識 https://twitter.com/AtsukoHigashino/status/1631803304333447171

 その論評の背景はともかく*2、これを発端として、暇な空白氏による仁藤夢乃氏への会計追及は、軍事研究者や軍事趣味者から急速に信頼をうしなっていったようだ。
 そして暇な空白氏は、英国の大学で軍事をまなんでいるという堀口英利氏へ標的をうつして、思いつきのような疑惑を主張して、裁判にまで発展している。
カンパの使途をめぐって暇な空白氏が小杉沙織氏を批判しているが、余剰金の流用を最初から明らかにしていたことをどう評価するべきか - 法華狼の日記

スクリーンショットを見ても、表現そのものに妥当性を感じづらいし、カンパの目的と堀口氏との裁判は関係が弱すぎるように思えるのだが。

暇な空白氏は、やはり確定申告について知識がないのかな - 法華狼の日記

もとは暇な空白氏らが堀口英利氏という学生の生活に意味もなく疑いをかけ、堀口氏がレシート画像を提示しても合成と疑ったという流れだった。


 そして9月になり、いまだ暇な空白氏を応援する軍事趣味者が東野氏を無名あつかいして、それに東野氏が応じたところ、暇な空白氏がいきなり東野氏を「女」と論評した。


”女”

 友好的な弁護士の吉峯耕平氏にもたしなめられたが、暇な空白氏は歴史的にも差別的といわざるをえない釈明をおこなった。


女だったら何が悪いって話だし、差別的と読み得る投稿をすることの意味がわからない。


「わざわざエゴサして長文で絡みに行って相手が自分の論点だと思うところじゃない「エゴサご苦労さまっす」って言ったら「論点ずらし!!!」とか叫ぶのはヒステリーやな」って言ったらよかったのかな?
マイルドに”女”と表現したのだが

 そして同時期、なぜか東野氏の名義で勝手にホテル予約がおこなわれたという。


「ある界隈に絡まれたらホテルの予約を勝手に入れられる」、という話は聞いていたのですが、早速やられました。この人たち、本当に悪質ですね。 pic.twitter.com/wId1XB9Ohe

 さらに比較政治学者の浅羽氏*3が引用リツイートして嫌がらせを批判したところ、同じように勝手な予約をされたという。


研究者への犯罪行為を直ちに止めろ。東野先生なんて特に良質な公共財的存在で、こんな事柄で心労をかけるのは、国家的損失、市民社会全体の損失だ。


オレせんせいも喰らった。予告どおり、即座に警察に通報。言論の自由はこの社会の根幹。萎縮効果があると思わせたら、連中の思う壺。研究者の気概を舐めるなよ。それと、法の裁きを粛々と待て。


しかもね、ここは「張り合う」ところでは決してないんですが、オレせんせいが喰らった額は東野先生の8倍超で、なんやねんその差は、とさらに小一時間。

 もちろん東野氏も浅羽氏もすでに警察へ相談するという段階をとおりこして動いているという。


東野先生、オタサーの姫ムーブして暇空氏を攻撃してんのかー。
なにか嫌がらせされたなら普通に警察行って相談すればいいのに、なんで共産党と強いつながりのあるcolabo代表仁藤さんといい「警察に相談しました」って言わないんだろう。大した事ない嫌がらせだと思うなら黙ってりゃいいのにね。


今回一緒に被害を受けた浅羽先生も私も、すでに「警察に相談すればいいのに」などという段階は完全に通り越しているのですがね(ニッコリ)


宿泊施設側でも当然、法的検討が取られたり、すでに法的措置に動いているかもしれませんね(ニッコリ)
オレせんせい、警察にもお友だち、多いんですよ(ニッコリ)

 ちなみに浅羽氏は、講演で黒塗りの明細書を要求されて拒否したことを前後してツイートしている。まったくの偶然だとしても興味深い文脈が生まれている。


クレジット決済の場合は、領収書だけでなく、その明細書も後日出せ、という「後出しじゃんけん」はいいかげん勘弁してください。それならば、現金で購入したし、そもそも、そんな双方にとって生産性ゼロの手続きを必須とするところの依頼を受けるかどうかも考えましたよ。


明細書黒塗り提出を要求するということは、要は払い戻しして、金券ショップなどで正価より安い切符を利用し、差額をネコババしたのではないかと疑っているということだが、胸糞悪いわ。誰が、そんな面倒なこと、するねん。全部、時間コストなんやぞ。金券ショップ往復に20分かかるとしたら、赤字や。


 失礼かもしれない印象論をいえば、どちらかといえば東野氏も浅羽氏も暇な空白氏とは対立しないSNSクラスターにいたと思っている*4。もし対立していたのであれば、東野氏と衝突しただけで新たに信頼をうしなうことはなかったろう。
 SNSをはなれていた浅羽氏にしても、「楽韓Web」の管理人が「えらいのでスーパーカップを2個食べていいことにします」と勝手な予約をいれられたことをいたわり、浅羽氏が引用リツイートで好意的に応じている。


ですよね!!!

 その「楽韓Web」の管理人は、監査で「違法」や「会計不正」が見つからなかったという結論をつたえる仁藤夢乃氏に対して、実際の監査結果に反した説明をしているTogetterをお気に入りにしていた。


あの監査結果見て勝利宣言できるとかネットミームの「勝利宣言」そのものなんだよなぁ……

「Colabo陣営が "勝利" に沸く中、仁藤夢乃さんに対して監査結果の内容を1ツイートで端的に説明するリプライが送ら..」https://togetter.com/li/2034118 をお気に入りにしました。#Togetter


 この流れを見ていて、余命三年時事日記というブログが弁護士への懲戒請求を扇動した事件をあらためて思いだした。

 保守的な陰謀論ブログとして書籍化*5されるほど人気があり、労働系弁護士の佐々木亮氏への懲戒請求を読者に呼びかけたのだが、その扇動を弁護士の北周士氏が批判した。
 すると懲戒請求の対象に北氏もふくまれるようになり、さらに被害が拡大していった。北氏は北一輝の弟を先祖にもつ、どちらかといえば保守派の弁護士だったのだが。
「余命三年時事日記」に煽動され懲戒請求 弁護士側が提訴 | 週刊金曜日オンライン

6人は2017年7月から12月までの間、前述のブログ上にあったひな形をダウンロードして東京弁護士会宛に懲戒請求。〈違法である朝鮮人学校補助金支給要求声明に賛同し、その活動を推進する(略)二重の確信的犯罪行為である〉といった懲戒理由はすべて同一だった。

しかし、佐々木弁護士は朝鮮学校への補助金問題には直接関わっておらず、北弁護士については「ささき先生に対する根拠のない懲戒請求は本当にひどい」などとツイッターで発信したことに対して〈懲戒請求者への恫喝〉として懲戒理由とされた。

 もちろん、このような攻撃のすべてが扇動によるものとはかぎらない。インターネットで注目をあつめる衝突があれば、愉快犯が参加することなどもあるかもしれない。
 しかし扇動者が自身の熱狂にのって攻撃の対象を広げ、それが新たな対立を生んでしまい、さらに無関係の攻撃も発生するようになったとすれば、誰にとっても制御が難しく、誰にとっても不幸なことだ。

*1:はてなアカウントはid:kuuhaku2

*2:メスになった青識の発端 - Togetter暇空茜さんと東野篤子先生の間に起こったトラブルについてまとめてみた。 - TogetterといったTogetterの「刀祢館正明(元朝日新聞)がもの申す」や「元朝日新聞記者が、そのような議論をする事自体が有事を引き寄せる危険があると主張」といった説明は誤解をまねく。東野氏のツイートでスクリーンショットされている画像でもわかるように、刀祢館氏は議論の大切さをうったえる東野氏と誘導の危険をうったえる重信幸彦氏の、ふたつの朝日記事を対置するように紹介している。刀祢館氏が後者に重きをおいているような解釈はできるが、前者を否定しているとは読めない。そして暇な空白氏の立場だが、後にスペースの録音を聞いたところ、軍事費は専門家にすべてまかせるべきで議論そのものが不要と考えているようだった。

*3:一時期アカウントを消してツイッターから去っていたが、同志社大パワハラを受けていたらしい。 韓国の2冊の本が私を救ってくれた | | 浅羽祐樹 | 毎日新聞「政治プレミア」

*4:念のため、東野氏や浅羽氏という個人が暇な空白氏による仁藤氏への追及に賛同していたという意味ではない。

*5:後述の記事にあるように佐々木氏は懲戒理由と直接の関係はなかったが、書籍化した出版社の労働問題にはかかわっていた。