法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『黄昏乙女×アムネジア』雑多な感想

古典怪談『牡丹灯籠』を思わせる学園美少女幽霊ホラー。めいびい原作、大沼心監督、 SILVER LINK.制作で2012年に1クールでTVアニメ化された。

少し前にGYAO!で全話配信されていたが、それ以前に映像ソフトで視聴していた。感想を書こうと思ったのは、OVAコープスパーティー』と好対照だと思ったため。
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同じ原作者で2019年にTVアニメ化された『かつて神だった獣たちへ』よりも映像に雰囲気があるし、構成も明確。原作は未読だが、少なくともアニメ化された範囲ではヒロインに全てが収束する作りになっていて、それを受けてアニメスタッフが恋愛重視に舵を切ったのがゴーストストーリーとしても正解だったのだろう。
複数の怪談が伏線となり、その歴史的な真相が二転三転して幽霊の誕生譚を明かす構成がうつくしい。生贄ネタは『地獄少女 二籠』が2006年にあったので既視感がつきまとったことが残念だが、しかし定番ではあるのでそこに意外性を期待するべきではないのだろう。
第1話は幽霊の見えないサブキャラ少女視点でAパートを描いてから同じ構図に幽霊を配置してBパートで同じ出来事を見せる演出や、第10話で幽霊視点の回想をほぼPOVでやりきった佐山聖子コンテなど、挑戦的な演出も成功している。