法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『世界まる見え!テレビ特捜部』いつもお世話になってます!○○のおかげで助かりました2HSP

2時間SP。ミニ映像集は境界線上で助かった事例が多く、いわゆる仕事猫のヨシが本当にヨシだった場合を見ているようだった。


生活を補助する動物たちは、一般的な盲導犬介助犬ではなく、ミニチュアホースの盲導馬や物を移動したりするフサオマキザルなど。
盲導馬は犬よりも平均寿命が長いし、力強さが役に立つこともあるという説明になるほどと思った。


ボーダーセキュリティーは今回のテーマで紹介する意味がよくわからない。何かのおかげで捜査に成功したという語り口でもないし。
大きめの瓶に入った錠剤が本来は鎮痛剤だがドラッグとして悪用される事例や、マリファナを隠すためにくりぬいた本を今ではタバコ入れにつかっているとして見逃された事例は普通。
ドミニカから来た怪しい態度の男にいたっては、いろんな可能性を考えて予定より未来のチケットを予約したり、むしろ考えすぎで無駄に怪しまれたというオチ。


米国からは2005年のハリケーンカトリーナ」による停電から、重病人を守るために奮闘したテュレーン医療センターの人々を紹介。ディザスター再現ドラマとしては非常に見ごたえあった。
ニューオリンズ全体が停電し、堤防が決壊して洪水が押しよせ、1階にある非常電源はショートをふせぐため停止させる。出力の弱い電源車は人工心肺など重要な設備にだけつかうため、空調などは停止させるしかない。
そしてさまざまな遠隔地にはこぶためのヘリコプターが手配されたが、限界に近い人数をはこぶため家族はひきはなされる。ヘリが離着陸する立体駐車場までは病院の2階にある渡り廊下をとおるしかなく、現状で信頼できないエレベーターはつかえず階段で患者をはこぶしかない。巨大な人工心肺をつけたままで移動できない少年にいたっては、いったん切りはなして手動ポンプで血流をおくる……この病院では重病患者を死なせないことに成功したというが、21人という数字とカトリーナの被害規模をくらべた時、社会として救えた命の少なさを思う。


中国の四川省からは生まれたパンダを野生にうつす保護センターのプロジェクトを紹介。木登りを禁じられるほど母親に甘やかされて乳離れもなかなかできない子パンダがかわいいデブ。
一方で野生のパンダは雄が雌をうばって争い、顔面が傷だらけになってスタジオを驚かせたが、そのような争いに数週間かかるのんびりぶりは野生動物としては特異なんではないかと思ったり。
あと保護センターの施設はきちんと現代的なのに、パンダに警戒されないための着ぐるみのクオリティのひどさがアンバランスですごかった。野生のパンダを調査する人員の真面目な服装とのギャップも印象的。


第二次世界大戦前夜のドイツからは、キューバに脱出するためユダヤ人900人が現在の金額で4500円だけ所持できずに客船セントルイス号に乗りこむ。
しかしキューバに到着すると下船許可がおりない。調べてみるとキューバの観光大臣がビザ料金を着服したためだった。会社の弁護士をたてて交渉しようとするシュレーダー船長だが、弁護士は最初からキューバに上陸できないことがわかっていたことを明かす。ユダヤ人を絶望させるために、あえて海外脱出をさせたのだと。
米国に上陸させようとしたが当時はユダヤ人の受けいれを拒絶され、セントルイス号はヨーロッパにもどる。それでも船長と一等航海士が部下の不満をおさえ、ドイツ以外にユダヤ人をひきうけてもらうことに成功した……のだが、下船したのはベルギー、オランダ、イギリス、フランスの4ヶ国。やはりイギリス以外に下船したユダヤ人はほとんど虐殺されてしまったという……
検索すると1976年に英国で『さすらいの航海』という大作映画になっているとのこと。またキューバでも30人未満は新しい上陸許可をとりつけたらしい情報を見つけた*1


最後はイギリスから、全身のふるえが止まらない男を治療する最先端の技術を紹介。脳に電極をさして位置や電圧を調整し、ふるえが止まる場所をさぐっていく。
マクレガーは元軍人でエリート部隊の長をつとめる快活な人物だったが、今は老いた妻の介護がないと何もできない。問題の身体のふるえは何かと思ったらパーキンソン病で、どんな奇病かと思っていたのでひょうしぬけしたが、むしろ広く役立つ治療技術といえるか。
しかしこの治療法、脳深部刺激療法として前世紀からおこなわれているようで、メドトロニックという医療機器会社がそれを宣伝するためのサイトまでつくっていた。
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