法華狼の日記

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国連の人権理事会の改選で落ちたのはサウジアラビアだけだが、中国は得票数が前回から二割減になったとのこと

国連人権理事国に中国、ロシアにキューバ… 総会が選出、批判も - 産経ニュース

アジア太平洋枠ではサウジアラビアが落選。ほか4地域は改選国と立候補国の数が同じだったため事実上の信任投票となった。

共同通信の産経配信記事は注目を集めている*1のに記載がないため、あたかも抵抗なく信任されたかのような反応を見かけるが*2、ロイター通信が得票減をつたえていた。
国連人権理事会選挙、中国・ロシアを理事国に選出 サウジは落選 | ロイター

国連総会は13日、国連人権理事会の理事国選挙を実施し、中国とロシアが選ばれた。ただ、中国の得票数は前回当選した4年前に比べて20%あまり減った。

ヒューマンライツウォッチのコメントでは、そもそも立候補国が少ない問題が指摘されている。より良い理事国を選ぶため、さまざまな国が立候補できる世界をつくっていくことも重要なのだ。

人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチの国連担当ディレクター、ルイ・シャルボノー氏は「サウジの落選によって、国連の選挙で競争を増やす必要性が改めて浮き彫りになった。立候補国がもっと多ければ、中国、キューバ、ロシアも落選していたかもしれない」とした。

また、この改選結果に批判はあるべきだろうし、人権理事会の現状に満足することなどできないが、だからといって人権理事会ひいては国連そのものが無意味になったとは思わない。
悪党同士が牽制しあって建前がかたちだけ主張される場所でも、存在しないよりはずっと良いと思える。そうした反省で国際連合が生まれたことを痛感して戦後日本は出発したはずだ。

*1:はてなブックマークを確認した現時点で50usersを超えている。[B! 国連] 国連人権理事国に中国、ロシアにキューバ… 総会が選出、批判も - 産経ニュース

*2:一部では、問題のある国家が新たに選ばれて、状況が悪化したかのような反応も散見される。産経配信記事へのid:saihateaxis氏による「国連人権委員会に権威なんて無くなったって事よな」というコメントなど。改選直前のGigazineによる報道まとめでも、「改選」とは記載しつつも以前から理事国であることがわかりにくいためか、id:hatoyabu01氏が「WHOに続いて国連人権理事会も独裁国家の傀儡に」とコメントしていた。 [B! 海外総合] 中国・ロシア・サウジアラビアが国連人権理事会の理事国に選出される見込み、人権団体は強い懸念を表明 - GIGAZINE