新しいSNSアイコンについて、華満はラーメンにしようと決めているが、芙羽はパンダにしたほうがフォロワーが増えると意見する。後日、タコ焼きパーティーで距離をちぢめようとするプリキュアとローズマリーだが、今度は華満がつくった変わり種のタコ焼きに芙羽が驚き、甘いものは食事の最後にするべきだと意見する。そして和実は祖母の合わせ味噌を思い出していた……
演出の河原龍太は東映では初めて見る名前。検索するとサンライズの制作進行出身だが、演出家としてはさまざまな制作会社でのスポット的な参加でキャリアを積んでいて、よくわからないところがある。
河原龍太さんは『ラブライブ!サンシャイン!!』1期では演出助手で、また最近の京極さんのコンテ回などで演出を担当されてる方。京極監督の『映画クレヨンしんちゃん』最新作でも演出として参加されてました。 #lovelive #虹ヶ咲 #tokyomxhttps://t.co/r67Bqsqkg3
— MG Plus (@zetial) 2020年10月10日
過去のコンテ演出回は何度も見たことがあるが、ソツやクセがなかったのか、良くも悪くも名前が印象に残っていなかった。
とりあえず今回は、落ちついて淡々と主張する芙羽と、コミカルに表情を変えて主張する華満を同じフレームに入れて、それぞれの印象をきわだたせるカットをうまく多用していた。しっかり枚数をつかって複雑な芝居をさせた作画そのものに見ごたえあることに加えて、動きのコントラストで実質以上によく見える。プリキュアに変身する後半まで背景にいる和実の、シンプルにデフォルメされた作画もかわいらしい。
物語は、オーソドックスに道徳的な内容。距離をちぢめようと無理に発言をひっこめる態度をやめて、たがいの違いを尊重するようになることを肯定する。一昔前の子供向け番組ならそのまま成功したような、たがいに我慢して相手にあわせることを作中アニメなどから学んだふたりが、それでも失敗したからこそ結論は普通でも経験を踏まえた厚み、説得力がある。
さすがに和実家の混ぜる味が違うほど良くなる合わせ味噌のたとえは無理があると思ったし、せめて華満にダブルスープの手法などで共感させて納得する説得力を増す手続きは入れてほしかったが、そういうところもふくめてぐっと対象年齢を下げたEテレ的な教育番組らしさがあった。