玩具会社で上層部から隠れるように女性研究者のチームが精巧な人型ロボットを開発していた。しかし低価格商品で勝負したい上司に止められる。
そこで女性研究者は、両親を事故で亡くしている姪の話し相手もかねて、開発中の人型ロボットを与えて、人工知能を育てさせたが……
ブラムハウスが製作した2023年の米国映画。美少女ロボットミーガンが評判を集め、低予算のテクノスリラーだがスマッシュヒットして続編も作られた。
噂には聞いていたが、特にホラーとして新鮮味はない。友好的な存在が、あたえられた条件にそって他者に危害をあたえていくようになり、最後には暴走して主人にも牙をむく。話の構造は『グレムリン』*1などとも大差ない。他の人工知能をミーガンが乗っ取って騙したり逃げたりする展開もベッタベタ。ホラー演出も定石をふまえて悪くはないが個性的なところはない。どちらかというと遠隔操作型の人型ロボットと対比されるクライマックスなど、ホラーを踏まえたアクションとして個性を感じるところが多かった。
しかし物語はベタなホラーでしかないのに、公開直後から世界を席巻した生成AIの問題を風刺したかのように解釈できる興味深さがあった。両親を失って孤独になった子供が会話の相手として依存していく展開や、そこでミーガンが癒す描写など、生成AIをカウンセリングに利用する動きを想像させる。むしろ現代社会が恐怖に転調する直前のホラー作品のように生成AIをあつかっているような気になってきた。パフォーマンスの場で子供をなぐさめる場面は予想外に感動的で、それゆえの空々しい恐ろしさもあった。
あと、ミーガンが最優先の子供のために行動する局面が思ったより長く、殺害も実際に危険な存在からおこなっていくので、終盤まで人間のために行動している感じが出ていたところも個性的だった。その意味では最後の最後に子供も優先対象ではなくなるのが残念。虐殺をくりかえしてなお子供のために行動しているつもりだったほうが、ミーガンに哀れで愚かな人形という味わいが出たと思う。
