家入しるくという人気高校生俳優が学園をおとずれる。それはTV番組の仕事らしいが、家入は演劇部に親身にアドバイス。演劇部も発奮して、シンデレラが現代にタイムスリップするオリジナル演劇を成功させようとはりきるが……
前回*1につづいて成田良美脚本で、OPに登場する4人目のプリキュアになりそうなゲストキャラクターが登場する。とはいえ、過去のゲストキャラクターも少なからず4人目とデザインが共通して名探偵キャラクターをもじったネーミングをしているので、情報をもたない視聴者視点では確定とはいかないが。
ミステリとしては演劇用のドレスが行方不明になった謎を解くという展開。演劇部が代々継承したためツギハギなどでつくろっている描写があったが、ミステリの伏線としては機能しない。たとえば糸をほどいて分解して隠したという展開にはならない。かといってドラマの重い前振りになるわけでもなく、今回もミステリとして良い出来とはいいがたい。
とはいえ、見えすいているとはいえドレスを物理的に隠せるとビジュアルで表現できているキャラクターが犯人で、主人公のかまかけに引っかかる伏線描写もあり、前回よりはミステリとして成立していた。決めつけをいましめる家入の台詞も謎解きにかかわってきて*2、ゲストキャラクターのドラマとしては悪くなかった。
シンデレラが過去からやってきて、助けてくれた現代の少女と仲良くなりダンスをして終わる劇中劇も、この作品なりのジェンダーの撹乱が感じられて良い*3。主人公ふたりの立場とアイロニカルな関係となっている面白味もある。
*1:『名探偵プリキュア!』第8話 プリティホリックでプリティスマイル! - 法華狼の日記
*2:しかし性別にまつわる先入観で騙そうとするのは、1999年ならともかく現代の幼い視聴者に通用するとは思えない。そもそも敵幹部が異性に変装することをくりかえしてきたのに、それに言及しないのは、あまりシリーズ構成が機能していない感じもある。
*3:とはいえ、このシリーズでは十年以上前にも現実の主人公の状況として描写されたシチュエーションではあるが。 『Go!プリンセスプリキュア』第9話 幕よあがれ!憧れのノーブルパーティ! - 法華狼の日記