2025年公開のアニメ映画。TVアニメ『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 』の長井龍雪監督が手がけた外伝ふたつを同時上映したもの。
ただし映画と言っても、長井監督と鴨志田一シリーズ構成によるアプリゲームで使われたアニメパートに新規作画を追加して再編集したものと、原作の岡田麿里シリーズ構成による脚本で本編の途中にあった出来事を描いた完全新作ショートアニメをあわせて劇場公開したファンムービー。
前者はEDを除くと1時間に満たない。ヒロインの回想をとおして、ゲームキャラクターの登場と主人公とのドラマをダイジェストしていく。編集するための素材が足りないにしても、キャラクター紹介というには戦いの決着はフェードアウトで終わり、話がしまらない。かといってひとつながりの話というには、物語のピークとなるクライマックスが低いし、提示されたデスゲーム的な状況の途中で話が終わってしまう。キャラクター紹介に徹するか、不要なキャラクターの出番を削ってひとりのヒロインに隠された秘密と主人公の関係とのドラマにしぼるか、どちらかにしてほしかった。主人公の声優の演技が、アニメ映画としても生っぽすぎて不安定なところも好みにあわなかった。
後者は15分に満たないショートアニメ。ひどい顛末をむかえた本編*1に対して、一定の成功をおさめて未来をつかもうとしていた主人公たちの一瞬の輝きを見せる。殺風景なコロッセオを舞台としつつも巨大人型兵器の格闘戦は見ごたえがあるし、文字をつかうことすらなかった子供たちが自分の名前をつかって対等な契約を結べるまで成りあがったドラマとして成立している。人間なのにゴミあつかいされた子供たちが、自己の存在を刻みつけるEDのイラストも本編を支えている。これくらいよくできたエピソードを本編でももっと見たかった。
*1:悲劇自体は既定路線と思いつつ、話運びのつたなさや描写の説得力のなさばかり感じたが。 『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』第50話 彼等の居場所 - 法華狼の日記
