ブンドル団がおそった店ばかりSNSであげている「ちゅるりん」には、妖精レシピッピが見えているらしい。そこで和実たちは「ちゅるりん」がレビューしていた中華料理店パンダ軒にいく。するとそこにはクラスメイトの華満らんがいた……
平林佐和子脚本、貝澤幸男コンテ、上野ケン作画監督による新プリキュア登場回。しかし過去の上野回と比べて描線の強弱が少なく、コミカルな作画はところどころ楽しめたものの期待したほどの艶やかさではなかった。料理作画はこれまでどおり、きちんと現代アニメの水準になっていて良い。
物語は前回*1につづいて華満の不幸がきわまっていく姿を、戯画化されたパンダ軒の情景で中和する。中華料理店というモチーフのあつかいは一歩間違えると差別に一直線ということも感じられた*2。
一方、これまでくりかえされた華満不幸エピソードの完成形としては成立している。敵の口車に乗せられてパンダ軒がキャンペーンで客を集めてレシピッピを増やしてしまい、それを根こそぎ奪われ、せっかく集まった客たちが味に不満をもらして店を去っていく……ここまで極まれば、プリキュアに変身して敵を打倒する展開も爽快感たっぷり。
ついでに敵が華満のSNSをチェックする姿から、それで襲撃先を決めていたことが次回予告もあわせて示唆され、これまでの不幸が偶然ではなかったこともうかがえた。
あと、パンダ軒で和実たちはラーメンを食べてスープを賞賛したが、出汁のベースだろう昆布を華満が「隠し味」と表現したのは謎。とんこつラーメン等ならまだわかるが、普通の醤油ラーメンに見えた。
一方、そこで賞賛するスープは子供に真似させないためか大食いの和実も飲みほさなかったが、健康問題などに注意喚起する説明もなかった。スープを飲みたい嗜好までは否定したくないということなのかもしれない。
*1:hokke-ookami.hatenablog.com
*2:中国人や中国文化への差別にむすびつく危険性だけでなく、少なくない中華料理店が大陸引き上げにルーツをもつ歴史性なども想起した。