エジプトの星と呼ばれるダイヤを、黒蜥蜴という女盗賊の組織がねらっている。名探偵の明智小五郎は彼女と対決することになるが……
深作欣二監督による1968年の日本映画。妖しい犯罪美女を丸山明宏名義だった美輪明宏が演じる。原作は江戸川乱歩の小説*1を三島由紀夫が戯曲化したもの。
初期にVHSビデオは販売されていたがDVD化はされず、何度かWOWOWで放送されたらしいが、視聴困難な映画作品のひとつだった。
しかし2025年6月に同じ監督、主演による『黒薔薇の館』とカップリングでBlu-ray版とDVD版が発売され、11月25日にNHKBSでの衛星無料放送も予定されている。
「黒蜥蜴」 | NHK
江戸川乱歩の小説をもとにした三島由紀夫の戯曲を深作欣二監督が映画化。美輪明宏が美しいものをこよなく愛する妖艶な女怪盗・黒蜥蜴(とかげ)を演じる異色ミステリー。
後年に大映で映画化された1962版も視聴したが、ミュージカルのわりにロケ撮影が多くてリアルな空気感に首をかしげたし、黒蜥蜴を演じる京マチ子の背が高くないこともイメージにあっていなかった。
一方、深作監督版のほうが時代が新しくなりながら映像のルックが安っぽいが、そのハリボテ感に江戸川乱歩作品らしさがある。特に終盤の黒蜥蜴のアジトのセットは見世物小屋のような楽しさがある。
美輪明宏が演じる黒蜥蜴も、美女姿では案外とがっしりした体格だと思ったが、灯で円をつくるような場面は雰囲気がある。何より変装時の男装姿はすさまじい美しさがあった。京マチ子の黒蜥蜴は、小柄な女性が無理をしているようにしか見えなかった。
カメオ出演している三島由紀夫も筋肉を鍛えながら背が低いのだが、女性としては高身長の黒蜥蜴とならべると逆に絵になる*2。むしろ一昔前の怪奇映画で悪人がしたがえていた小男のような雰囲気があって、それがまた江戸川乱歩らしいと感じられた。
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