法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『世界まる見え!テレビ特捜部』まさかの乗り物SP

ミニ映像コーナーでは何度目だろうかと感じる陸空両用自動車を紹介。しかしスロバキアで作られたそのスーパーカーはデザインがどちらの形態でも成立しているのと、尾翼も主翼もボタンひとつで3分間で自動展開するなどのパッケージングの良さはあった。


イースタン&オリエンタル・エクスプレスは、オリエント急行の姉妹列車。タイからシンガポールまで国境を越える体験を提供する。
広々とした最高級の客席は100万円を超え、一般的な客席も収納式の寝台付きで38万円。乗客は白人ばかりに見えるが、現地の若者にもアピールしようと無料で招待されたSNSインフルエンサーはアジア人らしい。いまだ南北格差が残りつつ、アジアが経済発展しつつあることを予感させる光景。
古い現地の文化を体験する村では、あらかじめ支配人が視察にいって、現代的すぎる看板や真新しい自動車を撤去させたりも。支配人の人種や内装、コース料理などは欧州の雰囲気をアピールしつつ、バックヤードの調理スタッフは現地のアジア人らしかったり、現地のダンサーを呼んで旅をしめくくったりしたバランスも興味深かった。


アイルランドからは、ずっと飛行機を操縦したかった無学な男性の、80歳を超えての挑戦を追う。
親友に土地を提供してもらって滑走路をつくったまではいいが、先走って入手する機体のサイズも不明なまま格納庫をつくったり。半分グライダーのような中古飛行機を購入して、思いつきで手をいれたことで損傷をひどくしてしまったり。
その失敗で飛行機から距離をとったまま一年間がたったという時間経過には、よく取材者がそこまでつきあったなと奇妙な感心をしてしまった。


ドイツからは、最高峰のツークシュピッツェ山で山頂まで一気に移動できるロープウェーの更新を紹介。
1929年から観光地として親しまれていたツークシュピッツェ山だが、老朽化したロープウェーのかわりに、巨大で高速のロープウェーを建設することに。支柱は途中にひとつ巨大な塔を建てるだけだが、その作業はほとんど人力だより。
山頂の施設も改修することになったが、分割したクレーンをヘリコプターで運ぶまではともかく、その組み立ても人力でクレーンにとりついておこなう。観光客がいる状態で改修をはじめたり、建物の基礎となる土地を確保するため山頂の一部を爆破したりも。
最終的に搬入されたロープウェーが少しサイズが大きすぎ、駅に入れなかったため左右にある木製のガイドレールをハンマーで叩いて少し広げるしかないというトラブルも。
そうして2014年から2017年にかけて無事に改修と更新が終了した。しかしドイツ人は工作の精度が高いという先入観をくつがえすような、全体的に意外と乱暴で粗雑な工事風景だった。それでも人力で大きな問題がなく終了したことが、逆に作業の精度の高さを証明しているといえるかもしれないが……