「いただき小ばん」は、縮小して他人にはりついて移動を助けてもらう秘密道具が登場。さっそくのび太は楽をしようと他人にはりついて、やがて寄生状態を利用してくが……
善聡一郎コンテで、おそらく2005年リニューアル以降で初アニメ化。トイレに行くのもめんどうくさいというのび太のだらしなさは、尿意をがまんできる子供ならではか。
小サイズののび太が違和感なく作画されて他のキャラクターにはりついて、けっこうな異化効果が生まれている。ちょっとクローズアップ気味に、のび太視点のサイズ感にしているのが良いのだろう。町内一周のかけっこもきちんと情景を描写して周囲の奮闘を印象づけ、のび太のズルさを実感させる。
ジャイアンの尻にはりついて他人をからかっていたら、歌の練習をされたり放屁されたりでひどい目にあうオチまで、原作を尊重するかたちでアニメ化されていた。しかしあらためて見ると今回は原作の時点で下ネタで始まり下ネタで終わるのだな……しずちゃんにドラえもんが意図せずセクハラしてしまう描写は今回のアニメではオミットされていたが、残したほうが他人の肉体に寄生する醜悪さがきわだって良かったかもしれない。
「どくさいスイッチ」は、2013年版の再放送。やや長めの映像化であるためか、「いただき小ばん」の尺が短めになっていたが、気にならなかった。
『ドラえもん』ひるねは天国で/どくさいスイッチ - 法華狼の日記