いろはたちは海岸で初日の出をむかえ、初詣に向かった。人ごみのなか、猫屋敷母や父に出会ったり、クラスメイトを見かけたり。そしていつものようにガオガオーンがあらわれるが……
赤尾でこ脚本。作画監督は多めで、かなり絵柄の乱れがはげしい。アバンタイトルは通常より美麗なくらいだが、アクションの多い後半になるとキャラクター作画の情報量が少なくなっている。
本編はこのままクライマックスに向かう雰囲気だが、あまり説得力がない。いろはのドラマがほとんど完結したのでユキが物語の前面に出てくるのは良いとして、人間と戦うことにためらうザクロはそういうキャラクターではなかっただろうという違和感が強い。ここ数話で敵対することをザクロにためらわせようとする描写は何度があったが、何よりもガオウへの思慕が優先されるキャラクターとして一貫してきて、前回まで目に見える変化がほとんどなかった。一貫したキャラクターの結末として満足して浄化されたトラメとは異なる。
やはりザクロとトラメの登場はもっと前倒しにして、もっと絶滅動物をめぐる議論を反映したストーリーをつみかさねるべきだった。せめて絵が良ければ表情などで説得力が足されただろうが、先述したように今回は後半ほど絵づくりが甘い……