法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『世界まる見え!テレビ特捜部』戦慄の瞬間?2HSP

ミニ映像コーナーが終わって、さまざまなカメラがとらえた世界の珍事が紹介。塀にのぼっていた熊を女性が撃退する映像など、良くも悪くもすでにインターネットで見かけたようなものが多い。一応、そうした切りとり映像だけではわからない後日談や、撮影した日時場所などが少し補足されたのはありがたかったが。


空港税関で止められたギニアの女性は、スーツケースからあふれそうなエイの干物や、ボトという果物をもちこんでいた。加工されて菌などをもちこむおそれがないため、エイの干物は大量でも問題なしだという。没収されたボトは、調べてみるとナシ亜科らしいが、インターネットでははっきりした情報が見つからなかった。


ロシアからは1985年のサリュート7事故を紹介。ベテランふたりが極秘裏に宇宙へ行き、なぜか活動停止した宇宙ステーションのサリュート7を修理しに行く。
まるで『アポロ13』のようにヒロイックでサスペンスフルなドラマだが、当時のロシアは今以上に秘密主義だったソ連なので、事故が隠されたかわりに成功も充分には喧伝できなかったという。
番組の最後に映画化されてロシアで大ヒットしたことが紹介され、調べてみると2017年作品で、Amazonプライムビデオの見放題で配信されている。

サリュート7(吹替版)

サリュート7(吹替版)

  • ルボフ・アクショノーヴァ
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動物ドキュメンタリーはアフリカのライオンなどの狩猟の様子を紹介。普通に良い映像ではあるが、最近のドキュメンタリでは極めて少なくなった動物擬人化して語らせる演出を後づけしていることがどうしても気になる。


イギリスからは2012年に海底油田を整備するダイバーの事故を紹介。潜水病をさけるため深海の水圧にあわせた気圧のタンク内で生活し、体をならしていく。
そしてタンクをおろして整備をはじめたが、多少の波風は問題ないはずが、自動制御するコンピュータの異常で船が流されることに。タンクから空気と保温湯をおくるケーブルをのばして活動していたダイバーたちは、急いでもどろうとしたが新人のケーブルが何かにひっかかってしまう。救出に行こうとしたダイバーはケーブルの長さが限界でとどかない。やがてケーブルが切断され、新人ダイバーは数分しかつかえない酸素タンクだけをもった状態で置きざりに。
流されていた船を普通にもどすことも失敗し、コンピュータを再起動する賭けに出たところ成功。動かなくなっていた新人ダイバーを回収したところ、奇跡的に生きていた。へたに暴れず運命にまかせたことと、低温状態だったおかげで酸素を消費せずにすんだという。TVアニメ版『プラネテス』の訓練成功エピソードを思い出した。


最後は、ちょうど一年前の米国議会襲撃について紹介するドキュメンタリが早くも登場。今回は背景などの説明は少なめで、さまざまな映像から時系列にそってダイジェスト。
有名な銃殺シーンなどは紹介されないし、襲撃者を誘導した警備員なども登場しない。しかし短い時間とはいえTVのハイビジョン画面ならではの見ごたえがあったし、時系列にそった状況変化を見ることで理解が深まった。
とにかく襲撃にいたる分水嶺が複数あり、議事堂で窓をやぶる以前から何度もくりかえし境界線がふみあらされていた。無資格の市民ジャーナリスト*1のようなアンティファが扇動した疑惑に説得力がないことがよくわかる。白人男性の暴動に対する警備の危機感が甘い雰囲気もつたわってくる。
そして、どこまで襲撃が奥深くまで入りこんでいたかを見せられた後、ドナルド・トランプが襲撃に対して停止を命じた時系列が描かれることで、大統領としての判断の遅さが明らかだ。トランプの言葉の甘さは説得のためと考えて目をつぶるとしても。もしトランプに襲撃開始の責任がいっさいなかったとしても、一国を象徴する最高権力者として危機対応能力がないといわざるをえない。

*1:ノイズになるためか、市民ジャーナリストのジョン・サリバンはそもそも登場しなかったが。 hokke-ookami.hatenablog.com