自分のやりたいことを考えていた鈴村は、モデルのオーディションに応募する。ローラが住所不記載で書類が未達に終わった一方、鈴村は一次審査も二次審査も順調に通過。そして面接会場で待機しながら迷わずメイクをしていくが、となりの応募者がうまくメイクをできなくて不安になっているのを見て……
吉野弘幸脚本で、西田正義が連続コンテ。シリーズ初代の特徴だったプリキュアがパンチを連打する戦闘演出だが、かなり久しぶりの感がある。
プリキュアはアイテムで変身し、おそらくそのメイクは自動的に手が動いている。だからコスメショップで育った鈴村は、作品テーマに密接な設定をもちながら、あまり各話で存在感を出せていなかった。それが今回、夏海の賞賛に押されるように自身の長所を発揮していく。
モデルの卵が集まる現場で鈴村がメイキャッパーに喜びをおぼえ、最終的にモデルを辞退する転換はわかりやすすぎるとは思った。しかしプリキュアにおいても防御を担当する補佐であることとむすびつけ、そうした補佐が本当にやりたいことだと重層的なドラマを展開したことで説得力が生まれている。
打撃重視の今回の殺陣がキュアコーラルの防御重視をきわだたせる。いつもは指一本ずつでつくるバツ印を、仲間を守るよう全ての指を組んでバツ印を複数つくるキュアコーラル。あたかも力強く祈るように。