天文部をつくろうとチラシをくばっている1年生がいた。すでにトロピカる部をつくっている夏海たちは協力しようとして、流星群を学校のみんなで見るイベントを企画する……
今回も小村敏明コンテ。昔のような4話に1回というローテでもないのに、やたら登板頻度が高い気がする。
本編はいわゆる創部物の一種のように展開し、途中までは昨年の『恋する小惑星』を連想した。あまり興味をもたないクラスメイトや、子供だけで夜の学校に集まる*1ことに難色を示す校長といった、この作品に珍しく消極的な流れも興味深い。
特に、桜川が校長へかけあうが多人数の管理はひとりでは無理と指摘されるリアリティや、桜川が他の教師も協力させて許しをえるような負担を広げる展開は、PAワークス作品のネガティブさを良い意味で思い出した。
もちろん大人のリアリティとは別個に、トロピカる部はチンドン屋のような惑星のかぶりものをして、クラスメイトの興味をひく。そして曇り空に不安をおぼえながら流星群を待つ。
ここまでは珍しく情感たっぷりな物語になる可能性を感じたのだが……結末で敗退した敵幹部が流星群を見あげる姿はそういう雰囲気もあったのだが……
後半で、てるてる坊主のような神だのみをはじめるまでは予想していたが、滝沢が呼んだ父親が護摩のような焚火をして仲間に太鼓を叩かせ、晴れるよう祈りはじめた展開に唖然とした。
前半は真面目に子供たちの暴走をいさめていた校長が、滝沢父の古い知人として晴れ男能力を証言する高低差にも脳が理解を拒絶した。真面目な話、焚火が流星群の観察する邪魔では?とも思った。
ただ、さすがに劇中でもうさん臭いあつかいだし、人集めには良いという実利的な効果も指摘されたので、それなりに理解できなくもない……と思うことにするしかなかった。
とはいえ後半みたいに奇人変人が集まると、夏海があまり機能しなくなることも実感した。ひたすら状況を肯定するキャラクターなので能動的に動かさないと、ツッコミ役ができない。