法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『トロピカル~ジュ!プリキュア』第28話 文化祭! 力あわせて、あおぞらメイク!

文化祭でトロピカる部はメイク教室を開催することに。安い予算でメイクをおこなう方法を考え、ドレッサーは自作することに。
そして当日、夏海や滝沢がクラスや取材でいそがしくなった時、裏方にてっしていた一之瀬がメイク教室をはじめる……


吉野弘幸脚本、門由利子演出。美馬健二作画監督で、やや全体的に頭身が高め。
騒々しく楽しい文化祭エピソードで、後半じっくり一之瀬ひとりの鬱屈を描いた構成がおもしろかった。この作品には珍しい情感を描いているし、過去も現在も仲間にかこまれながら孤独に歩んでいる一之瀬というキャラクターが立ち上がっている。


一方で敵幹部の行動が今回も面白い。柔道部伝統のイカ焼き屋台にイカの着ぐるみがつかえず、カニの着ぐるみになったという前半の不思議なギャグが、チョンギーレの屋台協力につながってくるとは予想できなかった*1
思えば敵組織が人間の不幸や鬱屈を求めているのではなく、人間のやる気を求めているところが今作の独自性を生み出している。この敵組織は人間の前向きな姿を喜び、推奨しているのだ。
もちろん最終的に奪うことが前提だが、そこで人がやる気を失うことは副作用でしかなく、人を滅ぼそうとしたり傷つけることを喜んだりはしない。だから今回の協力も意図せず人助けしたと後悔したりせず、好きなだけ料理人として活躍して少年たち喜ばせただけ。
そして基本的に仕事は指示されしぶしぶやっているだけなので、負けてもあまり悔しがったりせず引きさがっていく……

*1:たぶん予想できた視聴者は多いだろうが。