法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『世界まる見え!テレビ特捜部』神業

2時間SP。YOUTUBE時代なので、ミニ映像コーナーも投稿ビデオにたよっていた時代より多様で目新しいものがちょくちょくある。ただ、何回も試行して成功したものだろうとナレーションでツッコミを入れられていたし、いくつかはフェイクっぽい可能性も感じた。


エチオピアで赤子が生まれたため、400mの高さにある教会へ村人が総出でむかう巡礼を紹介。神のいる天に少しでも近づくために高所に教会をたてたというが、かなりけわしい道で、実際に死者も複数出ているという。その教会の司祭は普段どこにいるのだろうかというスタジオの疑問には答えがなかった。
アマゾンでは、ワニや電気ウナギを獲って食料にするカマユラ族を紹介。その漁ではチンボーという謎の棒切れをつかう。束にしたチンボーを川につけ、何度も叩く。すると麻痺性の毒が流れ出て、魚が浮かんでくる。その毒をどのように処理しているのか、最初から人間には無害なのかはわからなかった。それにしても「カマ」が「ユラ」で「チンボー」をつかう説明がつづくことには日本語では別の文脈が生まれて困る。逆に日本語が外国でそういう言葉に似ていると感じられることもあるだろうけども、失礼と思いつつ連想することを止められなかった。
デンマークではスキューヴォイ島で断崖絶壁に降りてカモメの卵をとる。いっせいの産卵から孵化までが短く、6日間しか獲ることができないうえに、代々つたわる羊毛製のロープで体をしばって降りていく。危なっかしいわりに対価が少ないが、これくらい制限があったほうが資源が持続するのだろうな、とも思った。


新コーナーとして、さまざまな家の猫をしつけるジャクソン・ギャラクシーという男の活動を紹介。いかにもリアリティ番組らしくジャクソンの言動は荒っぽいかと思いきや、明確なアドバイスを最初に与えていったん去り、家族が継続して猫をしつけられるよう導いていく。
猫と飼い主が肥満になっている家族に対して、ジャクソンがかつては自分も太っていて命の危機におちいったと写真で説明したりもして、良くも悪くも家族模様の異常さを笑ったりせず真摯にとりくむ。ただコーナーとして恒例になるには刺激が足りなそう。


ウォルト・ディズニーの生涯を簡単にさらったドキュメンタリーは、私個人の興味関心から楽しんでみたが、それゆえ既知の情報が多かった。
ピノキオ』のマルチプレーンカメラによる奥行きある1カット撮影などは、せっかく映像ドキュメンタリーなのだからどのように撮影していたかをもっとくわしく説明してほしかった。
あと、ディズニーワールドの開園式で俳優時代のレーガンが司会をつとめたことなど、のちの影を思わせる部分がところどころありつつスルーされたのもモヤモヤしたかな。


ジェシー・ダフトンというイギリスのロッククライマーは、視野の周辺から少しずつ視力を失う障碍をかかえていた*1。しかし父親に自由な選択を許してもらい、目の近くで手をふってようやく気づくぐらいの現在でもロッククライミングを精力的につづけている。大学時代に知りあった女性モリーが公私にわたるパートナーとなり、ロッククライミングでは無線越しに指示を出してもらう。
そんなジェシーは海際で太い塔のようにそそりたつ140mの岩塊をのぼることを決めた。細い割れ目を延々とのぼっていく第一関門や、右斜め上に決まったルートを上がらなければならない第二関門など、視力がよくても難所がつづく。モリーからジェシーの状況が見えなくなった上、無線がノイズだらけになって聞こえなくなってしまう。
しかしカメラマンが特別にカモメの存在を指摘したりして、ついに頂上に到達。そこを登頂した初めての視覚障碍者となった。

*1:ちはやふる』のキャラクター周防久志がよくにた症状を背負っていることを連想した。