id:nt46氏が逆裏対偶を理解しようとしないことは、過去のやりとりからわかっていることではある。
nt46氏は私に何を要望しているのだろうかという疑問 - 法華狼の日記
nt46氏の欺瞞ぶりに、ちょっと引く - 法華狼の日記
この時に、アニメの改善を願う原作ファンの署名活動という強制力も教えていたのだが、すっかり忘れられたのか不都合なので無視されたのか……
今回は、『銀河英雄伝説』やシャーロックホームズシリーズがメディア化で原作から改変されるという話題についてだった。
そういえばシャーロックホームズの映像化で、原作のままコカインを摂取する描写が求められた事例がどれほどあるだろうか? - 法華狼の日記
つづくやりとりで、brighthelmer氏は原作のジェンダー描写を大きく改変することを求めたのではなく、そもそも描写の優先順位から考えて削られることを想定していた。
そもそも映像化の時点で、取捨選択は作り手にかなり委ねられるので、現実的な方策としては家庭生活に尺を取らないという感じになるんじゃないでしょうか。ヤンが家事を全部フレデリカにやらせているシーンがカットされたからといって銀英伝が駄作になるというのはありえない感じがするのですが。
— Shotaro TSUDA (@brighthelmer) 2020年9月11日もちろんこのツイート自体が描写を削る以外の選択肢を全否定しているわけでもない。
上記エントリに対して、nt46氏がはてなブックマークで意味のわからないコメントをつけていた。
[B! 表現] そういえばシャーロックホームズの映像化で、原作のままコカインを摂取する描写が求められた事例がどれほどあるだろうか? - 法華狼の日記
"多少○○したところで駄作になるものではない"というのが既に卑怯だろう。許容ラインが"駄作にならない"なんだから。ホームズについては既に原作レイプされまくってるからホームズ像が変遷したりぼやけてるだけ。
「駄作」という言葉がつかわれているのは引用したツイートだけ。
単体で読んでも、駄作にならなければ改変が許容されるという基準を語っているようには読めない。引用の位置づけも、改変の選択肢はさまざまに想定されているという指摘にすぎない。
そもそも「駄作になるというのはありえない感じがする」というツイートは、やりとりのなかで出てきたものだ。相手の主張とすりあわせるなかで言葉がつかわれているなら、ひとつひとつに文脈がある可能性がある。
事実として、ツイートを確認すればリプライ先の「擲弾兵@tekidanhei」氏*1こそが「駄作」という基準をもちだしていたことがわかる。
その辺言い出すと銀英伝の骨格を成す田中芳樹の政治や経済に対する認識から改変することになりますよ。
— 擲弾兵 (@tekidanhei) 2020年9月11日
そしてそういう根源に改変を加えるのならヤマト2199のように企画開始の時点で手を付けるべき範疇。
途中から手を加えても「外部の圧力で改変された誰からも見向きもされない駄作」途中打ち切り終了
そう、そもそも駄作になる可能性が反論されたのは、相手が「外部の圧力で改変された誰からも見向きもされない駄作」になると断言したから、そうは思えないと反駁されたという順序なのだ。
nt46氏は、はてなブックマークページへのブックマークで、さらに首をかしげるようなコメントをしている。
[B!] [B! 表現] そういえばシャーロックホームズの映像化で、原作のままコカインを摂取する描写が求められた事例がどれほどあるだろうか? - 法華狼の日記
で長いホームズの原作レイプ史の中でおそらく反発もあったろうがそれはもはや"不可視化"されてる。"暴力的"なのはid:hokke-ookamiやid:Cunliffeのようなネクロフィリアのクズ。"文化窃盗"されたところで駄作にならないからな。
著作権意識が現代日本とは違う時代や地域のメディア展開において、同じように原作に忠実な展開が求められたとは断言しづらい。
そもそもシャーロックホームズシリーズといえば、作者のコナン・ドイルが主人公の死をもって無理やり完結させたことで有名な作品だ。
- 作者:アーサー・コナン ドイル
- 発売日: 2014/07/08
- メディア: 文庫
それが読者や出版社の強い要望によってシリーズ継続どころか生命まで復活したわけだが*2、この歴史をnt46氏は”暴力的”と断じることができるだろうか。
nt46氏は話題の関連する別エントリに対して、私に読解力がないともコメントしているが、文脈を理解しない立場から評されても説得力がない。
?田中芳樹が"いま(インタビュー時)"のジェンダー感で銀英伝を書いていたら、という話であり、その"銀英伝(mk2)"は現実には存在しないって意味やろ?相変わらず読解力ねーな。
これについては、私のエントリから該当する範囲を再掲するだけで反論として充分だろう。「"銀英伝(mk2)"は現実には存在しない」と指摘したかっただけだとして、それは論点をそらす意味しかない。
『銀河英雄伝説 Die Neue These』がどこまで放映されていたかを知ってて反論している人はどれだけいるのだろう? - 法華狼の日記
[B! 銀英伝] 『銀河英雄伝説』のジェンダー周りの描写に違和感を表明した社会学者が炎上したが、実は原作者も同意見だったことが判明 - Togetter
id:shoot_c_na 「いま書いてたら」そうなったろうって話であり、現実はそうなってない。そこの区別がついてない奴らがまだ蠢いてやがる
最初に引用したように、brighthelmer氏が変更を予想していたのは今後にアニメ化される範囲であって、そうなったかどうか判断できる「現実」などまだ来ていない。3クール目以降の制作が発表されたことから、スタッフは脚本作業を進めているだろうが、視聴者が判断できる情報は公開されていないはずだ。
この思い違いについては、はてなブックマークでもaquatofana氏が指摘している。id:aquatofana なんで今後作られるかもしれない新作アニメの話をしているのに、「原作はそう書かれなかった」っていう典型的なご飯論法がこんなにはびこるの。社会学者氏は見通しを言っただけで完成品に文句付けたわけでもない。
*1:ちなみに約半年前に興味深いツイートをしている。 銀英伝もそうだけど作者の思想が左寄りを表明している作品はなぜかフェミニズムの攻撃範囲から外れるのですよ。 https://t.co/RFsaDZa8r6
*2:ちなみに復活後で私個人の好みをいえば、超常的な現象を合理的に解明しつつ、その真実が世界全体の見え方を一変させるという側面から「サセックスの吸血鬼」と「ノーウッドの建築業者」が印象的。