法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『スター☆トゥインクルプリキュア』第30話 ララの想いとAIのキモチ☆

惑星サマーンでアイテムを盗んだ犯人と疑われ、羽衣ララたちは逃げまどう。マザーAIによる追跡から羽衣のパーソナルAIが助けてくれたが、さらにアイワーンが現れて……


脚本は今回も村山功シリーズ構成で、21話以来の座古明史コンテ。
全てがマザーAIのもとで一元化されているため、アイワーンのクラッキングで全体の支配が奪われる。そこで逆転のきっかけとなるのが、独立して判断を始めていたパーソナルAI。ことさら台詞などで説明はしないが、多様性の大切さがわかりやすい。
惑星サマーン全体とアイワーンから二重に追われることが、プリキュアが孤立して追いつめられるサスペンスを強めて、娯楽活劇としての面白さも盛りあげる。
あくまで便利な道具であって、いずれ使わなくなることで羽衣の成長を示す設定と思っていたパーソナルAIが、人工知能の献身という古典的なSF展開につながったことも意外な良さがあった。不意打ちだったこともあり、予定調和の自己犠牲と感じず、不覚にも感動してしまった。
そんな羽衣の変化を家族が認識して秘密を守ると決めて、守りつつ別行動をとる距離感も心地いい。地球に行ったことでララが変わったことを羽衣という名字を呼ぶことで表現したり、アイワーンの作戦中は戦闘員が待機していたことを体育座りしているギャグ描写で説明したりと、細かいところにも気配りされている。